『ルノー・グランカングー』ついに日本導入!特別仕様『クルール』1本勝負【3列7人乗りMPV市場競争激化】

公開 : 2026.01.15 08:00

輸入車+3列7人乗りシートの需要増

ではなぜこれほどまでに急ぐ必要があったかと言えば、『輸入車+3列7人乗りシート』の需要が高まっているからだ。グランカングーの販売台数は、カングー全体の半分くらいになることを見込んでいるほど。

ルノー・ジャポンによると、輸入車CセグメントMPV市場は、3列7人乗りが年々販売を伸ばしているという。昨年は2列5人乗りであるカングーを除くと、市場全体の57%が3列7人乗りとなり、ついに半数を上回った。

ホイールベースは3100mmで、2列5人乗りよりも190mm長くなっている。
ホイールベースは3100mmで、2列5人乗りよりも190mm長くなっている。    佐藤亮太

以前は輸入車の個性が求められ2列5人乗りで十分だったが、市場が成熟し、国産車と同様に『いざという時にたくさん乗れて、たくさん積載できる』3列7人乗りの需要が高まってきた。『ロングホイールベースならではの乗り心地のよさ』も好調の要因だとルノー・ジャポンは分析している。

我慢を強いられがちな3列目に快適性を

その点で、グランカングーは3列目も2列目と同じシートであることが強みとなっている。我慢を強いられがちな、3列目の快適性向上に貢献するからだ。

実車で確認したところ、開口部の広さは数字以上の印象で、見逃せないのはスライドドアの軽さ。ルノー・ジャポン社内実測値は約7kgで、一般的な平均値約13kgに対し大幅な軽さとなっている。これは2列5人乗りと共通だが、85度まで開くフロントドアも含めてカングーの実用性を感じさせる部分。

後席のスライドドア開口部は2列5人乗りよりも180mm長い、830mmとなった。
後席のスライドドア開口部は2列5人乗りよりも180mm長い、830mmとなった。    佐藤亮太

ちなみに欧州車らしく年々細かい改良が加えられていて、今回のグランカングーでは、前後ライトとエアコン吹き出し口付近のシルバー加飾がブラックに変更されている。今後は2列5人乗りも順次切り替わる予定だ。

日本のカングーは独自の文化

日本のカングーは世界的に見ると独自の文化だ。ダブルバックドアやブラックバンパーは乗用車と商用車の中間と言える仕様で、そういった組み合わせがフランス本国に存在しないため、日本仕様実現にはなかなかの苦労があると聞く。

しかしその一方で、日本仕様を見て『同じものを』と本国に求めた市場もあるそうで、2年前の『カングージャンボリー』(オーナーイベント)には役員クラスが来日。その需要の高さを納得して帰国したという話もある。

ダブルバックドアやブラックバンパーの組み合わせが実にカングーらしい。
ダブルバックドアやブラックバンパーの組み合わせが実にカングーらしい。    佐藤亮太

そういった流れの中で実現したルノー・ジャポンらしい日本仕様、『ルノー・グランカングー・クルール』。気になる価格は459万円と、現実的な線におさえてきた。関係者もかなり頑張ったと語っており、ライバルと十分な競争力があると言えるだろう。

聞けば聞くほどかなり魅力的な商品内容で、どうやら、3列7人乗りMPV市場はますます競争が激化しそうである。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員

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