カングー・ディーゼルは、懐かしいルノーの味がした【新米編集長コラム#40】

公開 : 2025.07.27 12:05

AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、新米編集長コラムです。編集部のこと、その時思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第40回は、タイミング的にマイチェン前の限定車となりますが、『ルノー・カングー・クルール・ディーゼル』に乗った話です。

結果的にマイチェン前となってしまった限定車

今週、ルノーカングーのマイナーチェンジが発表された。新エンブレム採用、17インチへの変更、バンパーが全てボディ同色になるなど小変更に留まり、個人的にはほっとしている。

というのも実は、今回の記事は結果的にマイチェン前となってしまった限定車、『ルノー・カングー・クルール・ディーゼル』のレポートになるからだ。

専用色オランジュ・コロンジュを採用した限定車、ルノー・カングー・クルール・ディーゼル。
専用色オランジュ・コロンジュを採用した限定車、ルノー・カングー・クルール・ディーゼル。    平井大介

先に限定車の特徴を確認しておきたい。まず、ボディカラーは夏の太陽が降り注ぐ南フランスの地中海をイメージした専用色『オランジュ・コロンジュ』で、特に滑りやすい路面で効き目のある『エクステンデッドグリップ』を装着。

さらに、『オールシーズンタイヤ』、『パーキングセンサー』(フロント/リア/サイド)、『イージーパーキングアシスト』、『スマートフォンワイヤレスチャージャー』、『10インチデジタルインストゥルメントパネル』(ATモデル)が装備される。

販売台数はAT(EDC)が100台(価格429万円)、MTが50台(409万円)となり、発表自体は5月10日と2ヵ月以上前なので、気になる方はお近くのディーラーへ早めに問い合わせたほうがよさそうだ。

「これだけうちの取材をされているのに」

さて、現行カングーにちゃんと乗るのは意外にも今回が初めてだ。

広報車の担当氏にも「これだけうちの取材をされているのに」と驚かれたが、過去何度もタイミングを逃しており、今回、ようやくじっくり取材することができた次第だ。

90度近く開くドアから車内を見ると、まさにルノーらしい世界。
90度近く開くドアから車内を見ると、まさにルノーらしい世界。    平井大介

ルノー自体は、2代目メガーヌが新車の時代にR.S.の長期レポートを担当して以来、かなり深く取材を重ねてきた。カングーに関しても初代が新車の頃からリアルタイムで取材しており、そのよさは十分に理解しているつもりだ。自宅の駐車場が機械式でなければ、ショッピングリスト入りした可能性もあった。

ということでまず、車両を受け取り室内に乗り込んだ瞬間、直感的に「おお、これはルノーだ……」と思えたのが嬉しかった。

「ルノーを借りておいて何を書いているのか」と総突っ込みを受けそうなので、行間にある筆者の気持ちを解説すると、「シンプルだけどシンプルすぎない、いい意味でプラスチック多めの飾らない雰囲気は長年取材してきたルノーそのもので、感慨深いものがあった」となる。

アルカナやキャプチャーが既に次世代ルノーに突入していて、これはこれで好きなのだが、誤解を恐れずに書くならば、それよりも旧世代の作りで新しいものが何もないカングーは逆に居心地がよく、気持ちが落ち着くのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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