キャノピー積めば走る基地 いすゞD-マックス AT35(1) 日本未導入の強化ハードとは?

公開 : 2026.01.14 18:05

日本未導入のいすゞD-マックス 世界屈指のAT社がシャシーを徹底強化 キャノピー装備で走る基地に 概ね不満ない動力性能 優秀な乗り心地 路面不問な苦労知らずの走破性 UK編集部が試乗

1.9Lディーゼルは164ps 特別なAT仕様

各国で堅調に支持を集める、ピックアップトラック。配送トラックや路線バスでお馴染みの「いすゞ」も、D-マックスを擁している。現行の3代目は2021年に英国で発売され、2024年に小変更を受けている。生憎、日本には未導入だが。

今回試乗したのは、派生仕様となるAT35。世界屈指のオフロードチューナー、アークティック・トラックス(AT)社の力を借りた、超が付くほどタフなモデルだ。いすゞと提携しており、保障が付帯し、ディーラーでの整備も受けられるという。

いすゞD-マックス・アークティックトラック AT35(英国仕様)
いすゞD-マックス・アークティックトラック AT35(英国仕様)

3代目の特徴となるのが、操縦性と快適性の向上を目的に、軽量・高剛性なラダーフレーム・シャシーと、前へダブルウイッシュボーン式サスペンションを採用したこと。後ろはリジットアクスルにリーフスプリングという、従来的な構成だが。

エンジンは、1.9L 4気筒ディーゼルターボ。ライバルには300馬力を誇るモデルもあるが、こちらは164psとやや物足りない。もちろん四輪駆動で、MTの設定はなく、6速ATが組まれる。最大積載量は1085kg。最大牽引重量は3500kgへ対応する。

屈指のAT社がシャシーを徹底強化

AT社が手を加えるのは、パワートレイン以外。ラダーフレームシャシーが強化され、アンダーボディにはプロテクターが追加される。ダンパーはビルシュタイン社製になり、車高は40mmリフトアップされ、オーバーフェンダーで大きなタイヤへ構える。

17インチの専用アルミホイールを包むのは、外径35インチのBFグッドリッチ・オールテレーンタイヤ。これらの改造は、英国の工場で、60時間を投じて仕上げられるという。ローレンジギア付きのトランスファーや、ロッキングデフなどはそのままだ。

いすゞD-マックス・アークティックトラック AT35(英国仕様)
いすゞD-マックス・アークティックトラック AT35(英国仕様)

車重はガソリンが空で2210kgに達し、英国では商用車扱いになり、公道での最高速度もその枠が適用される。高速道路では112km/hまで、一般道では80km/hまでとなる。

商用車の延長感ある機能的なキャビン

インテリアは、SUVライクになる近年のピックアップトラックの中にあって、従来的な雰囲気。機能的ではあるものの、豪華さを求めるユーザーを満足させる、デザイン的な工夫は少ない。素材も質実的といえる。

ダッシュボード上のボタンはシルバーに染められ、その中央には充分な大きさのタッチモニターが備わる。グロスブラックのパネルが要所を飾り、エアコンの操作パネルは少し前の乗用車風ではある。それでも、商用車の延長を大きく超えてはいないだろう。

いすゞD-マックス・アークティックトラック AT35(英国仕様)
いすゞD-マックス・アークティックトラック AT35(英国仕様)

小物入れは各所にあり、実際に押せるハードボタンが数多く残り、使い勝手は褒められる。グローブボックスは上下に2段。下側はユーザーマニュアルが占拠していたが。

メーターパネルは、アナログメーターの間にモニターが組まれたもの。旧式感のあるデザインで、統一感もあまりない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

いすゞD-マックス AT35の前後関係

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