BMW 220d xDriveグラン・ツアラー

公開 : 2015.04.25 23:50  更新 : 2021.01.30 21:21

3列目のシートを倒した場合の荷室容量は560ℓとなり、大きな開口部とリップの低さ、そして扱いやすい形状ゆえ実用性はかなり高い。

2列目のシートは、荷室の側壁にあるボタンから電動でホールドでき(標準)、動作マナーにも問題はない。2列目を倒した際の荷室容量は1820ℓまで拡大され、フロントのパッセンジャー・シートまで倒せば、2.6mの全長となる。

運転席に座ると、アクティブ・ツアラーと同じく太く寝そべったピラーのおかげで視界が制限されていることがわかる。

しかし、チープなスイッチ類を除けば、BMWらしい高級感溢れる室内環境が整っているといえる。またBMW製のプロフェッショナルiDriveシステムは、相変わらずベストな部類に入る。

2.0ℓディーゼルは、やはりグラン・ツアラーの車重もあってか、お世辞にもパンチーとはいえない。ただし7名乗車でも低速域のトルクには不足がなく、トルク・レンジも十分に広く確保されている。

アイドリング時のエンジン・ノイズはやや耳に届く程度だが、回転が上がるとキャビンにも明確に侵入してくる。ロード・ノイズは大きすぎるほどもではないが、ミラーから生じる風切り音はかなり気になる。

ギアボックスの変速スピードは十分に素早い印象。静止状態から上手にトルクを引き出しながら変速していくため、フォルクスワーゲンのDSGに負けていないと感じる。

車体はアクティブ・ツアラーよりも大きくなっているが、フロント・エンドは落ち着いているし、ステアリングの正確性もきちんと保たれている。

ただし相応の速度までプッシュしていくと、アクティブ・ツアラーよりも大きくボディがリーンするうえ、前後共にやや横方向に振られやすい傾向がある。

ワインディングでは平均的な7人乗りMPVよりは楽しませてくれるが、限界付近での楽しさはアクティブ・ツアラーよりも明確に劣っている。

テスト車両はオプションの可変ダンパーを組み合わせており、スポーツにセットすれば足元が引き締まり、リーンが抑えられることがわかった。

またこの際は縦方向に車体が揺り動かされることもなく、身のこなしは常に引き締まっている。しかし凹みが目立つようなシチュエーションではコンフォートにしておいた方が賢明だろう。

テスト車両にはたくさんのオプション装備が組み込まれていたが、DABラジオ、衛星ナビゲーション、ブルートゥース、エアコン、電動テールゲート、アロイ・ホイール、シティ・ブレーキングは標準である。

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