広電から都営バスまで クルマやバイク以外でも味わえる輸入車たち【森口将之の『もびり亭』にようこそ 第17回】

公開 : 2026.02.11 12:05

信頼と実績のスカニア

バスではフル電動車でBYDが約7割ものシェアを占めていることを知っている人もいるでしょう。しかし、エンジン車の輸入モノもあります。メルセデス・ベンツの連接バスは各地で見ることができますが、ここでは2018年から都営バス(東京都交通局)が運行している車両を紹介します。

こちらはスウェーデンのスカニアのシャシー/エンジンに、オーストラリアのボルグレンのボディを組み合わせています。日本でも昔は、バスのシャシー/エンジンとボディを別々の会社が担当することがありましたが、欧州では今もこの手法が多いそうです。

スカニアのシャシーを用いたフルフラットの都営バス。
スカニアのシャシーを用いたフルフラットの都営バス。    森口将之

導入の理由は広島電鉄と似ていて、フルフラットの床を持つバスが、日本製にはなかったからです。国産のノンステップバスは、たしかに前扉も中扉もステップはありませんが、中扉の後方は床が高くなっています。後端まで低くフラットな床が続いているほうが、バリアフリーでは好ましいし、混雑緩和にもつながるはずです。

欧州にはバスメーカーがいくつかありますが、その中でスカニアを選んだのは、2階建て観光バスなどを我が国で走らせてきた実績があったうえに、トラックは現在も輸入販売を行っていて、信頼できるインポーターが存在することが大きいと思います。なのでアフターサービスに不安はないのではないかと想像しています。

僕たちが輸入車を選ぶのとは違う理由が公共交通の現場にあること、バリアフリーやカーボンニュートラルなど、海外のほうが先進的な分野はまだまだ多いことがおわかりでしょう。

でも理由はどうあれ、我が国の公共交通で輸入車に出会うのは、個人的には嬉しいことです。これからも個性的な車両が海を超えてやってくることを期待しています。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。

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