新型『日産エルグランド』を渡辺敏史が吟味(前編) デザインはアルヴェルに比べて小賢くまとまりすぎ? 3列目の快適性という意外な発見

公開 : 2026.09.07 10:00

意外な発見となった3列目の快適性

でも、エルグランドのシート形状については今回の試乗で新たな気づきもあった。

日産の十八番である背もたれの中折れ機能があるおかげで、リラックス姿勢でも肩部から上を立て気味にすることで前方の景色や画面が確認しやすくなる。そしてリクライニング時は可動式のアームレストを背もたれのツラに合わせておけば腕まわりに窮屈さを感じることはない。さらには乗り降りの際にも前方に体をずらす必要がなくスムーズだ。

今回の試乗で意外な発見となったのが3列目の快適性だった。
今回の試乗で意外な発見となったのが3列目の快適性だった。    山本佳吾

そして今回の試乗で意外な発見となったのが3列目の快適性だ。シート自体の形状やフォームなどにも気配りされており、着座姿勢やレッグスペースも窮屈さはなく、シアターレイアウトのおかげで前方見通しもいい。

後輪のすぐそばという、何かと割りを食う場所をして上下動や突き上げによよる体の揺すりが抑えられているあたりは、ピッチングをしっかりコントロールするというクルマそのものの味付けの基本が、車体の後端にまで巧く作用しているのだろう。

乗せられる側の話を続ければ、賓席たる2列目の掛け心地はさすがに文句はない。プラットフォームはCMF-C/Dをベースとしているが、ミニバンの体躯向けに大改造を施したこともあってか、床面や箱の共振抜けもすっきりしている。

長く採られたシートスライドを最後端にすれば、足を伸ばしたリクライニング状態で寛ぐこともできるが、その場合は入力を受け止めるBピラーが顔の真横にくる。音振環境的には適度なスライド&リクライニング量で座るのが最も快適だった。

*新型『日産エルグランド』を渡辺敏史が吟味(後編)に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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