フロントエンジンの「グランドツアラー」も投入か マクラーレン、5億ポンドの事業拡大計画を発表(後編) エンジン内製化
公開 : 2026.09.18 11:50
EV投入は「タイミング」が最重要
しかし、当面の間、EVモデルの投入は予定されていない。ストラウガン氏はEVについて、「適切なタイミングで発売すること」が重要であり、そのタイミングを見極めることこそが「最も重要な決断」だと述べた。
「それは避けられないことです。いずれやってくるものであり、その時に備えておかなければなりません。マクラーレンとフォーセブンの統合は、電動SUVを開発していた人材グループを確保できたという点で、有利に働いています」

「しかし、この分野におけるEVの市場反応は現時点では芳しくありません。そのため、製品で失敗することはできません。お客様のニーズが確実にあると確信できるまで、導入を控えるつもりです」
マクラーレンの親会社となったL’IMADは、中国のEVメーカーであるニオ(Nio)の株主でもあり、マクラーレンのEV開発にはニオが影響を与えることになりそうだ。実際、ストラウガン氏はニオを「極めて重要なパートナー」と呼び、「小規模な自動車メーカーが自社の知的財産だけでクルマを開発できる時代は終わった」として、将来の製品開発においてある程度の部品共有が必要になると述べた。
3つのカテゴリーのモデルを展開
ストラウガン氏によると、マクラーレンのラインナップは実質的に3つの「スイムレーン(翻訳者注釈:プールのコースのような区分け)」で構成されるという。中核となるスーパーカー、フロントエンジンSUVとその派生モデル、そして『W1』のような最上位のアルティメット・シリーズだ。
新型『McL 6GT』のような限定生産のスペシャルモデルは、これら3つのカテゴリーには当てはまらない。ストラウガン氏は、先月発表されたMcL 6GTのコンセプト、特に6速マニュアル・トランスミッションに対しては「信じられないほど」の反響があったと述べた。

ただし、主力モデルにマニュアル・トランスミッションを導入することのビジネス上の妥当性については、「まったく別の問題」だという。
パワートレイン内製化で独自性を強める
エンジンの開発と生産を自社内で行うという動きは、製品の独自性を強め、エモーショナルな特性を高めるためのものだ。
現在使用されているV6およびV8エンジンはリカルド製だが、マクラーレン専用に共同開発されたものだ。ストラウガン氏は、パワートレイン開発を完全に内製化するにあたり、その独自性をさらに強化する計画だと述べた。

「マクラーレンのエンジンが、マクラーレン独自のエンジンであるということを、すべてのお客様が理解しているわけではありません。次世代のエンジンにおいては、初めて社内で生産できるようになります」
ストラウガン氏は新しいパワートレインの詳細については明かさなかったが、ドライビングの没入感を最大限に引き出すよう開発・チューニングされると述べた。
「クルマのエンジンはおそらく、感情を喚起する上で最も重要な要素です。車体全体に伝わる振動や、加速時の感覚、パワーやパフォーマンスのフィーリングだけでなく、マフラーから響く音そのものがもたらす感情も含まれます。したがって、極めて重要なコンポーネントなのです」
可能性が広がる新エンジン
マクラーレンとリカルドとの長年にわたる提携関係は、他の研究開発プロジェクトでも継続されるが、リカルドが現在のようにエンジンを生産し、マクラーレンへ出荷することは今後なくなるだろうと、ストラウガン氏は述べた。
新エンジンの技術的構成について尋ねられると、ストラウガン氏は「当然、現在のV8エンジン、あるいはその次の世代から始まるでしょうが、一度エンジンの生産を始めれば、多くの可能性が広がります」と述べた。
2種類のエンジン開発計画が確認されたことから、マクラーレンは今後、ラインナップ全体で異なる気筒数と排気量のエンジンを展開するものと予想されている。新世代のV8エンジンが登場する見込みであり、現行の『アルトゥーラ』に搭載されているリカルド製6気筒エンジンに代わる新しいV6エンジンを開発する可能性もある。






















