進化型『788HS』誕生 マクラーレン750Sスパイダーとのラストラン(後編) 未来への道筋はどうなる?【スーパーカー超王、魂の執筆】

公開 : 2026.09.11 11:50

マクラーレンを象徴する存在として高く支持されてきた『750S』と『750Sスパイダー』の日本市場向けモデル生産が、6月30日で終了しました。そのラストランを、スーパーカー超王こと山崎元裕が魂を込めて執筆します。

ステアリングを握った誰をも感動させる

そういえばと、これもマクラーレン750Sから採用された、センターコンソール上にあるマクラーレンのスピードマークが描かれたスイッチは何なのだろうと調べてみた。

するとこれは、ドライバーがあらかじめ選択したパワートレーンやシャシー、そしてエアロダイナミクスのセッティングをワンタッチで呼び出すことを可能とする『マクラーレン・コントロール・ローンチャー(MCL)』を起動させるためのものだった。ドライバーにとって、その使い勝手が優れたものであることは言うまでもない。

750Sのフットワーク、その素晴らしさは誰をも感動させるに違いない。
750Sのフットワーク、その素晴らしさは誰をも感動させるに違いない。    佐藤亮太

トラフィックの少ないワインディングロードでは、さらにスパルタンなテイストに走りのキャラクターが変化するトラックモードを、パワートレーンとシャシーの両方でセットしてみた。

するとサスペンションは確かに相当にハードなセッティングになり、オンロードではコーナリング中のロール量も体感的には限りなくゼロに近いものに感じられる。

新採用された軽量スプリングやダンパー、ジオメトリーの変更などが720Sから行われた750Sのフットワーク。その素晴らしさは実際にそのステアリングを握った誰をも感動させてくれるに違いない。

真の実力を知るには、サーキットにそのステージを求めるほかはない

ワインディングロードや高速道路では、リトラクタブルハードトップをオープンにしてドライブする時間もかなりあった。気になるキャビンへの風の巻き込みは、日本の高速道路の制限速度内ならば、ほぼ気にならないレベル。パッセンジャーと自然に会話することも十分にできる。

エアロダイナミクスの素晴らしさは前でも触れているとおりだが、それは高速道路上でも確かに感じる直進安定性や、コーナリング時の動きにも表れていた。残念なのは、やはりこの750Sスパイダーが秘める真の実力を知るためには、サーキットにそのステージを求めるほかはないということだろうか。

リトラクタブルハードトップを備える750Sスパイダー。
リトラクタブルハードトップを備える750Sスパイダー。    佐藤亮太

日本で750Sシリーズが購入できる時間はあとわずか。オーナーになることができた方は、ぜひサーキットでこの究極のエンジニアリングが生み出したスーパーカーの走りを楽しんでいただきたいところだ。パッセンジャーとともにサーキットへと向かっても、フロントには十分に実用的な広さを持つラゲッジルームもある。

ちなみに、この750Sではフロントをリフトさせる『ビークルリフトシステム』も改良され、リフトが完了するまでの時間はそれまでの10秒から4秒にまで短縮されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王(超王)」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

マクラーレン750Sスパイダーとのラストランの前後関係

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