マクラーレン750Sスパイダーとのラストラン(中編) 圧巻の加速に、卓越したマンマシンの一体感【スーパーカー超王、魂の執筆】

公開 : 2026.09.11 11:45

マクラーレンを象徴する存在として高く支持されてきた『750S』と『750Sスパイダー』の日本市場向けモデル生産が、6月30日で終了しました。そのラストランを、スーパーカー超王こと山崎元裕が魂を込めて執筆します。

ボディデザインに現れる720Sからの進化

マクラーレン720Sからの進化も、確実にこのボディデザインには現れている。『アイソケット』と呼ばれるヘッドライトと一体化されたフロントのエアインテークは720Sよりも細く、しかしながらより高効率な造形となり、リアデッキもさらに延長。

ボディ後端に備わるカーボンファイバー製のアクティブリアウイングもより高く、そして長いデザインへと改められた。参考までにその表面積は720S比では20%の拡大となるが、重量は1.6kgが低減されている。

アイソケットと呼ばれるヘッドライトと一体化されたフロントのエアインテークは720Sよりも細い。
アイソケットと呼ばれるヘッドライトと一体化されたフロントのエアインテークは720Sよりも細い。    佐藤亮太

超高速域で750Sシリーズのボディがいかに優秀なエアロダイナミクスを実現しているかは、以前にクーペモデルをサーキットで試乗した時にそれを十分に確認している。

ハイスピードでのコーナリング時に感じる素晴らしい安定感に感動したのは、今でも心に強く残る鮮明な記憶だが、その印象は今回ドライブした軽量なカーボンファイバーストラクチャーによるリトラクタブルハードトップを持つスパイダーでも、変わることはないだろう。

ちなみに今回ドライブできた750Sスパイダーは、鮮やかなマクラーレン・オレンジのボディカラーに、フードエアインテーク、ドアミラー、サイドエアインテーク、リアフェンダーエアインテークから構成されるオプションのカーボンファイバーパックを装備。

さらにフロントフードのセンターにも同じくオプションのグロスビジュアルカーボンファイバーがあしらわれた、実に刺激的なエクステリアのフィニッシュが与えられたモデルだった。

スーパーカーという言葉からは想像できないラグジュアリー性

750Sスパイダーとの生活。そのファーストデイは、主にトラフィックの多い都心のストリートと、自宅のある郊外の街へと向かう高速道路を、軽く流す程度のドライブに終始することになった。

ここで感じたのは、およそスーパーカーという言葉からは想像できないほどのラグジュアリー性、そして操作性の高さ。このモデルの基本構造体となるのは、『モノケージII』と呼ばれる、軽量かつ高剛性なカーボン製のモノコックタブだ。

パワートレーンとシャシーのモードセレクタースイッチは750Sからメーター左右に移動。
パワートレーンとシャシーのモードセレクタースイッチは750Sからメーター左右に移動。    佐藤亮太

その剛性感、そして前後に備わるマクラーレン独自の油圧リンク式サスペンション、『プロアクティブシャシーコントロール』のスムーズな動きとの相乗効果で、低速域でもしなやかで高級感のある乗り心地が演出されている。

720Sから750Sへとアップデートされた時に、メーターパネルのピナクル上にレイアウトが変更された、パワートレーンとシャシーのモードセレクタースイッチでは、いずれも『コンフォート』、『スポーツ』、『トラック』という3タイプのモードを各々で選択することが可能だ。

初日に自宅までの帰り道で選んだのは、ほとんどの時間でコンフォート。さらにリトラクタブルハードトップをオープンすることもなかったから、エンジンからのサウンドと振動がシート背後から伝わるほかは、あたかも高級なサルーンに乗っているかのような感覚でドライブを楽しむことができたのが印象的だった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王(超王)」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

マクラーレン750Sスパイダーとのラストランの前後関係

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