伝説的ルノーの名車『8ゴルディーニ』がコンセプトカーとして復活 1960年代の雰囲気を纏った2ドア・クーペ、量産化は?

公開 : 2026.09.26 11:45

ルノーは新しいEVコンセプトカーとして『8ゴルディーニ・コンセプト』を公開しました。1962年に登場した初代ルノー8を再解釈したものであり、カルト的人気を誇るゴルディーニブランドへのオマージュとなります。

ゴルディーニへのオマージュ

ルノーは、1962年に初登場した人気のセダン『8』を現代的に再解釈したコンセプトカーを発表した。次世代モデルのデザインを予告するものとなる。

この『8ゴルディーニ・コンセプト』は、アレクサンドル・マルヴァル氏がルノーのデザイン責任者に就任して以来、初めての作品だ。チューニングを施したルノー車でレースやラリーで活躍し、後にルノー・スポールの一員となった高性能車ブランド『ゴルディーニ』の功績を称えるものでもある。

ルノー8ゴルディーニ・コンセプト
ルノー8ゴルディーニ・コンセプト    ルノー

将来のモデルに採用される可能性のあるデザイン要素が散りばめられているが、ルノーは、あくまで1台限りの試作車であり、最終的には8が当初生産されていたフランスのフランにある同社の新しい博物館に展示される予定だと述べている。

ルノーのコンセプトカー部門責任者ロマン・ゴーヴァン氏は、次のように語った。

「初代8は極めて質素なクルマであり、いわば労働者階級のヒーローでした。このコンセプトカーでも、その誠実さを保ちたかった。幅2m、1000psのマシンではありません。今でも親しみやすく、見る人を笑顔にさせるクルマです」

スポーティな2人乗りEV

「これは、スポーツカーブランドに対してどのような立場を取るかという問いかけであり、わたし達にとって重要なのは『楽しさ』という要素です。わたし達は、ニュルブルクリンクでのラップタイムを0.5秒短縮するようなクルマをデザインするためにここにいるわけではありません。このクルマは楽しく、コンパクトで、機敏で、軽快なのです」とゴーヴァン氏は言う。

初代8はエンジンを後部に搭載した4人乗りセダンだが、この新しいコンセプトカーは全長4120mmの2人乗りクーペであり、『クリオ』(日本名:ルーテシア)よりわずかに長い。

ルノー8ゴルディーニ・コンセプト
ルノー8ゴルディーニ・コンセプト    ルノー

フロントに19インチ、リアに20インチのホイールを装着しており、厳密にはショーカーではあるが、ルノーによれば270psの電気モーターを搭載しているという。

コンセプトカーとしてルノー8を復活させた理由について尋ねられたゴーヴァン氏は、「このクルマは、他のモデルに比べてあまり知られていませんが、非常に意義深いものです。ルノー8は非常に誠実なクルマでした。そのセグメントで最もパワフルなクルマや最も高価なクルマになろうとはせず、多くのブランドが活かしきれていないような親しみやすい価値を持っていました」と語った。

攻撃性を抑えたデザイン

スタイリング面では、初代モデルの特徴的な丸型ヘッドライトを継承しているほか、ゴルディーニ版のラリーの歴史を彷彿とさせる下部スポットライトも備えている。また、ゴルディーニの伝統的な青と白のカラーリングに加え、レーシングストライプも施されている。

リアでは、テールランプがボディに一体化されており、電源オフの状態では見えなくなる。ルノーは、この技術が将来の量産車にも採用される可能性があると主張している。

ルノー8ゴルディーニ・コンセプト
ルノー8ゴルディーニ・コンセプト    ルノー

インテリアはモータースポーツから着想を得ており、バケットシートや、丸型のデジタルメーターを備えたアルミ製ダッシュボードが採用されている。柔らかなファブリックが貼られ、アルミ製のセンターコンソールには多数のトグルスイッチが配置されている。その他にも複数の物理ボタンが設けられており、助手席側の足元にはラリー仕様のフットプレートもある。

量産車に採用される可能性のある要素に尋ねられたゴーヴァン氏は、「ダイナミックでありながら攻撃的ではないというバランスを見出せたと思います。これは、将来のルノー車に採用することに非常に興味がある点です。まさにルノーらしい要素です」と答えた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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