XP104と呼ばれるこの車両だが、幸運にもテスト走行に同乗することができた。

「ESPはオンになっています」とビールは淡々と情報を伝えてくれる。

データを集めるために、無数のワイヤーが繋がっており、ボタンは製品版と同じような働きをしないため解除すること自体が難しいのだそうだ。

エクステリアはほとんどの機能が作動するようになっているが、インテリアは650Sのものと570Sのものが混合している。

タイヤはピレリ製であるが、これもテスト車両の専用品。テスターいわく、まだフロントに安定感が足りないため、新しいタイヤを準備中なのだそうだ。

「現時点の問題の解決を含めて、われわれは570Sを楽しく、ドリフトしやすいクルマにしようと考えています。ジェンソン・バトンでなくとも、自在に操れるようなクルマにしたいのです」とビールは語る。

また、12Cと650Sではハイドロニューマティック・サスペンションによる乗り心地の良さも魅力だったが、570Sのノーマル・モード時も似たような柔らかさになるのだそうだ。

「スタビライザーの味付けも、まだ理想とは遠いです。ターン・イン初期の敏捷性は既に合格点を超えていますが、もう少しリアがフリーになるといいですね。ステアリングの完成度はまずまず。人工的な不自然さがない点を気に入っています」とのことだ。