ホンダNSX

公開 : 2016.03.15 23:50  更新 : 2017.05.29 19:09

かなりの制動力のブレーキをコーナーの入り口に差し掛かるまで踏んでみると、リアが軽くなり、心地よくフロントを巻き込んでくれる。リア・サスのセッティングがいいのだろう。トヨタ86のように、意図せぬドリフト姿勢に陥ることもない。

アウディR8ランボルギーニ・ウラカンよりも左右の動きが軽く、コーナー出口では前輪が路面を引っ掻いてくれるため、強いトラクションが生まれる。

スロットル操作だけで鼻先の向きを変えることができるのは、機械式のLSDのおかげだろう。ESCをオフにすれば、リアはさらにハッピーになり、これまで以上になめらかかつ素早くコーナーを抜けられる。

この場合においてのみ、エンジニア氏の “かなりコンペティティブ” という浅はかな表現も認める。

コーナー脱出時の加速はポルシェ911ターボのそれと同じ ‘暴力的’ なカテゴリーにある。911ターボと違うのは、ボディ後端に重量物をぶら下げていない点だ。よって、もっと自信をもってアクセルを踏みこめる。

末恐ろしいサーキットカーなのである。

一般道ではどうか? こちらの印象も良好である。英国の荒れた路面でも、受け入れられると思えるほどだ。ミラーを含む2217mmという車幅も、他のクルマほど気を使う必要はない。ギア・レシオがかなりクロスしているため、結果的にパドル・シフトでマニュアル操作することが多いかもしれないが、これはこれで自分で運転している感覚がある。

既に飽和状態になりつつあるこのセグメントで、NSXはオリジナリティを打ち出している。あらゆる最新技術が盛りこまれているのに、一体感がある。そして極めてナチュラルだ。思わずのめり込む面白さがある、速いクルマの作り方をホンダは再定義しているようにも感じる。技術/ルックス/熱狂性をAUTOCARは評価する。5つ星中、4.5点を与えたい。


ホンダNSX

価格 £130,000(2,114万円)
最高速度 307km/h
0-100km/h加速 2.9秒
燃費 7.4km/ℓ
CO2排出量 290g/km
乾燥重量 1725kg
エンジン V型6気筒3493ccツイン・ターボ+モーター
最高出力(エンジン) 507ps/6500-7500rpm
合計出力 581ps
合計トルク 56.1kg-m
馬力荷重比 337ps/トン
比出力 145ps/ℓ
ギアボックス 9速デュアル・クラッチ


▶ 海外初試乗 / ホンダNSX
▶ 海外ニュース / ホンダNSX、アメリカでの価格が公開

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

ホンダの人気画像