ポルシェ911の万能性がつまらない方へ モーガン・スーパースポーツ:ベスト・ドリームカー賞 #AUTOCARアワード2026

公開 : 2026.07.07 18:10

2025年後半から2026年前半で、UK編集部が各カテゴリーのベストを称えるAUTOCARアワード。ベスト・ドリームカー賞に選ばれたのは、登場直後から編集部の評価が高いモーガン・スーパースポーツです。

特定カテゴリーに分類できるモデルではない

モーガン最新のスーパースポーツは、特定のカテゴリーに分類できるモデルではないだろう。このクルマが、2026年のお気に入りになるであろうことは、登場直後から予想していた。AUTOCARアワードに相応しいことも。

先代のモーガン・プラス6などと異なり、シャシー剛性は高く、動的能力は明らかに進化している。やや癖のあった操縦性は、過去のもの。スタイリングもドラマチックだ。

モーガン・スーパースポーツ(英国仕様)
モーガン・スーパースポーツ(英国仕様)

339psを生み出すBMW由来の3.0L直列6気筒エンジンにナイトロン社製ダンパー、リミテッドスリップデフ、洗練されたトラクション・コントロールなど、技術的にも第一級。いいわけのいらない、本物のスポーツカーの運転体験を享受できる。

幸せを生み出す1つのボランティア活動

今回のアワードで、どの賞に該当するのかは少し悩んだ。「未来のクラシック賞」には、当てはまりにくい。むしろ、既に時代を超越したクラシックのように思える。最高のスポーツカーかと聞かれれば、ポルシェ911の方が能力の幅は間違いなく広いだろう。

他方、911の圧倒的な万能性が、逆に少しつまらなく感じるという人は、少なからずいる。そんなコダワリ派にとって、スーパースポーツはうってつけ。ぜひ一度、実物に触れてみて欲しい。

モーガン・スーパースポーツ(英国仕様)
モーガン・スーパースポーツ(英国仕様)

まずはその見た目。殆どのスポーツカーは充分な誘目性を備えるが、モーガンほど好意的に受け止めてくれるクルマは多くない。沢山の笑顔と出会える。スーパースポーツを市街地で走らせることは、幸せを生み出す1つのボランティア活動といってもいい。

アスファルト上で思い切り夢中になれる

とはいえ、より報われるのは運転する自分。インテリアの設えは上等で、キャビンは居心地が良く、長方形のフロントガラス越しにエレガントなボンネットが見える。そこに座るだけで、充足感が湧いてくる。

直6エンジンを始動して走り出せば、現実社会のモヤモヤは程なく晴れる。ペダルには特有の重さがあり、シートポジションはリアアクスルの直前。個性的で洗練された運転体験が待っている。サウンドも素晴らしい。

モーガン・スーパースポーツと、ルノー・トゥインゴ E-テック・エレクトリック
モーガン・スーパースポーツと、ルノートゥインゴ E-テック・エレクトリック

ステアリングの反応は至って正確で、路面状況やグリップ状態をつぶさに感じ取れる。しなやかに動くサスペンションは減衰特性に優れ、グレートブリテン島の傷んだ舗装との相性にも不満はない。

ランボルギーニフェラーリのような、わかりやすいカリスマ性はないかもしれない。しかし、公道での運転体験は夢心地。より親しみやすく、より麗しい。うねるように伸びるアスファルトの上で、思い切り夢中になれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

AUTOCARアワード2026の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事