ラピードやヴァンキッシュのZF製8速ギアボックスを使用する点も共通であり、これは後輪の間にセットされる。ただしパワー分配は新式のLSDによってなされ、リア・アクスルにはマルチ・リンクが組み合わさる。

V12ターボチャージド・エンジンの排気量は5204cc。最高出力は6000rpmにて608psを叩きだす。シリンダー休止システム／アイドリング・ストップの機構が組み合わされるのは、いかにも現代らしい。

12気筒といえば、ベントレー・ベンテイガもW12エンジンを搭載するが、同じ気筒数でもキャラクターそのものはまったく異なる。DB11の方が猟奇的かつ特大のハンマーのような性格なのである。

■どんな感じ?

今回のテストは、一般道ではなく、ブリヂストンが所有する巨大なプライベート・コース。ハードウェア関連はすでにサイン・オフしているが、ソフトウェア／ダンパー／トルク分配装置に関しては開発進行中である。

ドライブ・モードに関するアルゴリズムは完成の状態にあるため、257km/hの速度制限内で自由にスピードを出し、自在にスライドさせることができるという、比較的自由度の高いテスト・ドライブであった。まず気になるのはエンジンだが、自然吸気エンジンの方が愛を注ぎやすい傾向があるのはこれも例外ではない。しかしターボといえども、12気筒であることを利して、突きぬけるように、そして高らかに回る。ターボが色気に水をさしているとは感じない。