488 GTBと650Sを走らせるうえで大きな違いとして、前者はスライド姿勢に持ちこみやすく、後者はサクッと向きを変え、スライドをせずにコーナーのエイペックスをすぎるという点が挙げられる。

一般道におけるマナーは、両者ともに共通点が多い。ステアリング位置の違いや、ルーフ形状の違い(650Sはオープンも可、よって40kg重い)による重量差は感じられず、どちらもマイルドだと感じる。

ダッシュボードの位置は低く、どちらも視界は狭すぎることはない。強いてどちらがいいか? と問われれば、650Sのフェンダー形状の方が、障害物との距離感をつかみやすい、といった具合である。

また650Sのドライビング・ポジションはとても素晴らしい。ブレーキ・ペダルが真ん中にあり、どちらの足でも踏みやすいのだ。ステアリング・ホイールはの形状、サイズも見た目だけを考えたものとはひと味ちがう。

488 GTBのスクエア形状にちかいステアリングは、もう少しドライバー側まで近づけられれば、と思う。ステアリング形状が示すとおり、488 GTBの内装は華美な印象。650Sは控えめで節度を意識しているようだ。これはお国柄といってもいいかもしれない。