テスラ・モデルX

公開 : 2016.06.08 23:30　　更新 : 2017.05.29 18:47

コーナーでは、一瞬ハッとするほどフラットな姿勢を保っている。SUVに乗っている感覚はまるでない。峠道を攻めるクルマではないが、コーナーは素早く切り抜けることができる。ステアリングは電子制御の典型だが、スタビリティ・コントロールが賢く介入するおかげで、テールは忠実にフロントについていこうとする。

ダッシュボードは17.0インチの縦型タッチスクリーンに占拠されている。これはモデルSと同様のものだ。エアコン、音楽、シャシーなどはすべてこれを介してコントロール可。ドアの開閉さえ、ここで制御する。

ドライバー前方の高解像度のデジタル・ディスプレイとリンクして動作する仕組みである。

よってダッシュボード周辺は、超ミニマルだ。

使用されるマテリアルは明らかにやわらかいものが多く、たとえばドア・ポケットなど、すみずみまで高級感をもたらすように工夫されている。カーボン調の素材の再現度も高く、メタルの挿入もセンスがいい。また、センター・コンソール上の曲面が多く用いられたプラスティック・パネルも美しい。質感そのものはアウディQ7に一歩及ばないものの、デザインに関してはとても細やかなところまで配慮されている印象だ。

■「買い」か?

価格帯に対し、インテリアの質感と乗り心地に課題が残っているが、SUVの観念を覆す存在であることは間違いない。少なくともP90Dは驚くほど速いし、使いやすくもある。

モデルSより実用的である点も見逃せない。