ボルボV40 D4インスクリプション

公開 : 2016.07.09 05:50  更新 : 2017.05.29 19:07

  • 新アイアンマークはVOLVOの文字の背景をブラックに。矢印の角度が斜線と同じになった。

  • V40はT3、D4、T5ともにFFのみラインナップ。試乗車はラグジュアリーなインスクリプション。

  • 新色のデニム・ブルーメタリックは品が良い。

■どんな感じ?

ボルボV40 D4の4気筒ディーゼル・ユニットは、190psの最高出力を4250rpmで、40.8kg-mという大トルクを1750rpmから2500rpmで発生する。実際にドライブした印象では、驚くほど力がありフィーリングはスポーティ、と簡潔に表現できる。V40のあとディーゼル・エンジン車がいくつも日本市場に投入されたが、ライバルたちにひけをとるどころか、いまもフロントランナーの位置を守っていると感じられるほどだ。

V40 D4の美点は、スムーズな加速、安定して楽しさを感じさせるハンドリング、それにソリッドなブレーキと、走りのすべてを高レベルで満足させてくれるところにある。よく出来ているのだ。アイドリングの時だけはディーゼル・エンジン特有のノッキング音が聞こえるが、それもV40より高額なクルマと比較してやや気になるという程度。とても気になるというレベルをはるかに下回っている。

ほとんどアクセルペダルを踏み込まなくても力強く発進するという点はディーゼルのよさを感じさせる。低回転域での太いトルクがあるからだ。だがディーゼルっぽいと思うのはそれだけだ。4000rpmを超えるまでのスムーズな回転マナーといい、ナチュラルな加速感といい、ターボチャージャーのチューニングも燃料噴射の制御も、ガソリン・エンジンのよさに迫るすばらしい出来なのだ。燃料噴射など燃料における制御の緻密さは他に類がないほど、と他メーカーからも高く評価される「Drive-E(ドライブイー)」と呼ばれるボルボの新世代エンジンの魅力が端的に感じられる。

おそらく8段オートマティック変速機の制御も緻密なのだろう。運転状況をしっかり読んでいて、加速や減速などドライバーの意思を先取りしているような気すらしてくる。加減速が多いドライブでは低めのギアで太いトルクバンドを有効に使えるようにするいっぽう、高速など負荷の少ない状況では高いギアで燃費を重視するといったぐあいだ。といっても難しいことを抜きにして、自分の意思どおりに動かせる楽しさをしっかり持っているところが最大の魅力なのだ。

乗り心地も意外だった。

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