メルセデス-AMG C63 Sクーペ

公開 : 2016.07.11 05:50  更新 : 2021.01.30 21:38

■どんな感じ?

アッファルターバッハにあるAMGが先代のC63をもって、深くわれわれの脳に刻んだものといえば、やはり自然吸気6.2ℓエンジンによる、強力なビートであった。

ジョン・ボーナムがトランクでドラムを叩いているのではないかと思わせたそのサウンドには、野蛮なリズムがあり、内臓から震わせるかのような低音をあたりに撒き散らしていた。これはもう、今後戻ってはこないはずだ。

その代わりに、先進的な合金ユニットがボンネットの下に押しこまれた。言ってみれば、ローランドが作成したTR-909と呼ばれたエレキ・ドラムのようなもの。きちんと調律して、きちんとリズムも見なおしている。

ぎゅっと圧縮されたハートビートは、実のところかなりの刺激をもたらす。エンジンを介した体験は、さほどの試練なしに、ドライバーを活気づけ、魅了し、そして気づいたときには楽しい気持ちにさせてくれるのだ。

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