レンジローバーが載せるエンジンは、レンジローバーのイメージに合っている。1500rpmから静かに心地よくまわり、ミドル・レンジでも息は切れない。いかなる回転域でもしっとりとして、洗練されているのである。

対するXC90の4気筒ユニットはレンジローバーよりも先進的だと感じる。たったの1000rpmからグッと車体を引っ張り、3500rpm以上でも力強い。静かなたぐいであるが、音量はレンジローバーよりも大きめである。

トランスミッションは両者ともに8速のオートマティックであり、どちらも同じくらい低回転域から積極的にシフト・アップする。また、アクセルを深く踏みこんだ際のシフト・ダウンも素早くおこなってくれる。

マニュアル操作はレンジローバーの場合、ステアリングにマウントされたパドルでできるが、XC90は、ギアノブを前後に動かしておこなう。どちらも電光石火のごとく素早いとはいえないが、なめらかな動作感だ。