フェラーリF12 TdF

公開 : 2016.11.16 05:50　　更新 : 2017.05.29 18:52

■「買い」か?

すでに完売したF12 TdFだが、これは近年乗った中ではもっとも欠陥だらけのフェラーリだ。

好戦的で、危険に満ちた、時として実に恐ろしいのはたしかで、酷評するこえがあったとしてもうなずける。しかし、個人的な評価は別だ。

テスト時のコンディションを考慮すれば、この手の非難は必ずしもできない。天気の悪い日に、空調の利いたガレージからこのクルマを引っ張り出すオーナーはまずいないはずだからである。

またF12 TdFは、刺激的で気分を高揚させるという点では最高レベルにあって、このクルマを正しく理解してさえいれば、公道上で満ち足りたドライビングが味わえる。

そもそもフェラーリのストラダーレは、それをひとびとに与えるべくして、この世に生を受けたのではないか。これは地獄を見る羽目になっても、もう一度乗りたいクルマだ。

■日本版編集部の見立て

フェラーリのトップ・モデルたるF12 TdFだが、そのシビアすぎるコントロールが危険な側面を見せる。だから、’愛情を込めて’ 欠陥だらけのフェラーリと評しているが、本心はそれはそれで愉しい、というのがアンドリュー・ブランケルの結論だ。手なずけるには、ある程度高いスキルを必要とするが、そもそも一昔のスーパーカー、それもトップ・エンド・モデルは、皆そうだったはずだ。