ACカーズの経営者で復活 ゼノス E10 R2(1) 創業はロータス/ケーターハム出身の技術者も経営破綻 年間受注枠は100台程度

公開 : 2026.10.27 18:05

経営破綻したゼノスがACカーズの経営者の元で復活。年間100台程度受注します。エンジンはボルボの2.0Lかフォードの2.3Lで、最大の強みはシャシーとステアリングとなるE10を、UK編集部が試乗しました。

10年前とスタイリングやパッケージングは近似

ロータスとケータハムに在籍した、マーク・エドワーズ氏とアンサー・アリ氏によって、2013年に産声を上げたゼノス。サーキットも楽しめるスポーツカーを、手頃に提供することが目指された。ところが価格設定が低すぎ、2016年に経営破綻してしまう。

ゼノスの経営権は、ACカーズを率いるアラン・ルビンスキー氏が買収。復活へ向けた計画は、一歩一歩進んでいた。そして遂に、われわれが「E10」を購入できる準備は整ったらしい。

ゼノス E10 R2(英国仕様)
ゼノス E10 R2(英国仕様)

実のところ、経営破綻する前の初代E10と、スタイリングやパッケージングは大きく違わない。だが、ヘッドライトやサイドスカート、エアインテークなどのデザインは一新され、メカニズムも大きな進化を遂げている。

生産は、グレートブリテン島南部のウェスト・サセックス州。技術者が、丁寧に手で組み上げている。年間の受注枠は、100台程だという。

エンジンはボルボの2.0Lかフォードの2.3L

シャシーは、アルミの押出成形材を用いたバックボーンフレーム。前後にダブルウイッシュボーン式サスペンションが組まれ、シャシー中央に4気筒エンジンが横向きで搭載される。コクピットはカーボン製で、構造体として一体成型されている。

初代のボディパネルはFRP製だったが、新型ではカーボン製。これにより、車重は40kgも軽くなったそうだ。フロントガラスやドアはないが、アリエル・アトムのような、小さなエアロスクリーンのオプションは計画にある。

ゼノス E10 R2(英国仕様)
ゼノス E10 R2(英国仕様)

エンジンは、E10 RZに載るのがボルボの2.0L 4気筒ターボ。最高出力は385psと、かなりの数字を誇る。今回試乗した、ベース仕様のE10 R2に載るのは、フォードの2.3L 4気筒ターボ「エコブースト」。こちらも304psと、まったく不足はない。

どちらも吸気系には、水冷式のチャージクールドを採用。効果的に吸気温度を下げられ、インタークーラーと比較し高負荷時のパワーに大きな違いがあるという。電気系統は改修され、エンジンなどの制御にはシンプルなCANバス規格を採用する。

少量生産モデルとして関心の内装品質

インテリアは、約10年前の初代から大幅に向上。極めてシンプルな内装ながら、しっかり作り込まれており、少量生産モデルとして品質には感心する。運転へ集中できる場所といえ、ゼノスの技術者は、仕事に誇りを持って良いと思う。

ダッシュボードの正面には、エイム社製のデジタルメーター。手の届きやすい位置に、イグニッションやライトなどのスイッチが並ぶ。サイズが大きく、レーシンググローブを付けたままでも押しやすい。

ゼノス E10 R2(英国仕様)
ゼノス E10 R2(英国仕様)

ドアはないため、乗り込むにはボディサイドを跨ぐ必要がある。ルーフやフロントガラスがないから、身をかがめる必要はないが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ゼノス E10 R2の前後関係

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