BMW M5(E60) vs アウディRS6(C5) アウトバーンの覇者 今なお健在?

公開 : 2017.08.26 10:40

15年前の最上級モデルといえども…

乗り込んでまず驚いたのは、15年前の最上級モデルはこれほど装備類が貧相だったのか、ということだ。

初期のMMIナビゲーションシステムは、ガイドだけではなくエンタテイメント系機能も持ち合わせるが、通信機能は備えていない。

また、ステアリングホイールにオーディオなどの操作スイッチは設置されていない。最新の基準と比べれば、着座ポジションは高く、ガラスハウスの下端は低く、Aピラーは細い。そのため、視認性には優れている。

V8は二面性を持っている。求めれば気持ちよすぎるほどに大パワーを叩き出し、当時のRS6を上回るのではないかという驚きの加速が味わえる。

その反面、素晴らしいクルーザー的な側面も併せ持つ。これはスロットルペダルを4分の1ほど踏み込むだけの1950rpmから、広い範囲で発揮される59.2kg-mのトルクによるもので、この数値はRS6もRS6プラスも変わりはない。

トランスミッションは5速ATのみの設定で、自動変速時にベストな働きぶりを見せる。マニュアル変速では、アップがあいまいで、ダウンが遅い。

乗り心地は、アダプティブダンパーを備えていてさえ非常に硬いが、昔ながらの油圧アシスト式ステアリング越しに伝わるフィールは、新車時の記憶以上のものがある。

ハンドリングのバランスは、フロントアクスル上にV8を積むクルマらしく、容赦ないまでのノーズヘビー。コーナリングで光るところはあまりなく、直線番長といった印象だ。

M5は、面白いほどに対照的である。

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