8馬力のマイクロEV フィアット・トポリーノ(1) シトロエン・アミをイタリアンに クーラーなしでハンディファン前提のダッシュボード

公開 : 2026.07.23 18:05

シトロエンのマイクロEV、アミをベースに誕生したフィアット・トポリーノ。8psのモーターに最高速は45km/hでも、レスポンスの良さで平均速度の低いエリアへうってつけです。UK編集部が試乗します。

シトロエン・アミへイタリアンなマインド

フィアットを率いるオリヴィエ・フランソワ氏は、「マイクロ・モビリティを発明したわけではありません。しかし、誰もが利用しやすいものへ進化させたのはわれわれです」と説明する。3000年前に、古代ローマ人が設計した街で暮らす人にも。

ミニの開発へ貢献した技術者、アレック・イシゴニス氏は、異議を唱えるかもしれない。それでもフィアットは、500やパンダなど、数多くの傑作コンパクトを提供してきた。フランソワの主張は、過大なものではないだろう。

フィアット・トポリーノ(欧州仕様)
フィアット・トポリーノ(欧州仕様)

ただし、今回試乗したトポリーノは、フィアットが開発したわけではない。AUTOCARの読者ならご存知かと思うが、ベースとなったのは、ステランティス・グループのシトロエン・アミ。ここへ、イタリアンなマインドが降り注がれている。

トポリーノは、2023年にイタリアなどで発売済み。だが遂に、2026年に英国上陸を果たした。8995ポンド(約189万円)からと、多くの人が利用しやすい価格で。

インスピレーションの元は1936年の初代500

アミのフィアット版を作ろうと考えたのは、ステランティス・グループの前CEO、カルロス・タバレス氏。当初は、ブランドのバッジを貼り直す程度が想定されていた。だがフランソワは、フィアット独自のスタイリングが必要だと、主張したという。

果たしてトポリーノは、フロントもリアも、アミと異なるボディパネルを獲得。丸いヘッドライトや、縦に長いテールライトが、絶妙なレトロモダン感を醸し出している。インスピレーションの元になったのは、もちろん1936年の初代500「トポリーノ」だ。

フィアット・トポリーノ(欧州仕様)
フィアット・トポリーノ(欧州仕様)

左右のドアは、コストを削減する目的があり、モジュール構造でまったく同じ。助手席側はフロントヒンジだが、運転席側はリアヒンジで開く。ボディカラーは、樹脂製のパネルそのものの色。塗装されているわけではない。

5.5kWhのバッテリーに8psのモーターで最高速は45km/h

アミと、技術的な違いは殆どない。全長2530mm、全幅1390mmというボディサイズも同値。車重は487kgと軽く、英国では自動車ではなくL6規格のマイクロカー扱いで、クワッドサイクルに該当する。しかし、公道での運転には普通免許が必要になる。

駆動用バッテリーは5.5kWhで、フロントに載るモーターの最高出力は8ps、最大トルクは4.0kg-mと小さく、前輪が駆動される。停止状態から約10秒で到達できる最高速度は、45km/h。1度の充電で、最長74kmが走れると主張される。

フィアット・トポリーノ(欧州仕様)
フィアット・トポリーノ(欧州仕様)

英国仕様が左ハンドルなことも、アミと同じ。2ピン充電ケーブルの他、急速充電用CCSアダプターも付属するが、充電は最大2.3kW。約4時間で満充電になる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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