現役引退間近 技術よりも「情」なパフォーマンスモデル一気乗り(後編)

公開 : 2017.09.10 20:10  更新 : 2021.03.05 21:35

現役引退をひかえた5台の試乗記、後半です。前編は多くのかたに読んでいただきました。味わい深いモデルの最後の勇姿を見届けましょう。

もくじ

前編
それはまるで儚い夢のように
すべてが「笑い」 技術を凌駕
V8ヴァンテージ 男気と色気

後編
コンチネンタルGTにも「ありがとう」
フィエスタST200を忘れてはならない
メガーヌ含め「形あるものはいずれ土に」

コンチネンタルGTにも「ありがとう」

ベントレー・コンチネンタルGTは、ヴァンテージと同じV型8気筒エンジンを搭載した英国のスポーツクーペではあるが、性格は全く異なる。

710psを発生させるスーパースポーツもモデルチェンジとなるのだが、控えめなGT V8 Sの方が名残惜しい。発表から14年が経ったが、ようやくコンチネンタルGTは変化を迎える。

来年、ポルシェパナメーラとプラットフォームを共有する形で、様々な新技術が盛り込まれるだろう。以前に開発段階のテスト車両での印象を振り返ると、大きな進化を遂げている。

優れた次期モデルを知ってはいても、現行モデルも魅力的に感じてしまう。レザーにステッチが施され、ハンド・クラフトで仕上げられた豪華なキャビンだが、反面、メータークラスターやダッシュボードなどに量産されたプラスチックが目につく。

しかし、何時間いても心地いい場所に変わりはない。ベントレーは、他の車なら揺さぶられて落ち着かないような郊外の路面でも、滑らかに走ることができる唯一のクルマだ。

W12エンジンモデルよりV8エンジンモデルの方が楽しい理由は、ノーズ・ヘビーによる不釣り合いさがなく、機敏でバランスが取れている点にある。

しかもGT V8 Sの最高出力は528psもあるので、公道でも十二分に速い。よほどせっかちなひとでもない限り、更に4気筒追加する必要はないだろう。

ただ今回の5台では一番古株ということもあり、気になる点も少なくない。曖昧なハンドリングと賢くない4輪駆動システム、着座位置の高さなどは不満だが、新型ではすべて改善されるはずだ。

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