試乗、DS 7クロスバック ガソリン車にメリット 変わらぬキャラ、インパクトは不足

公開 : 2018.06.29 10:10  更新 : 2022.04.23 12:04

どんな感じ?

キャラクターに相応しいエンジン 快適さが優先

全体としてみれば、この新しいパワープラントは、DS 7クロスバックのゆったりと寛いだキャラクターに相応しいといえる。加速はスムースなものの、急き立てるようなものではなく、4000rpm以下ではエンジンサウンドも非常に洗練されているが、4000rpmを越えるとそれなりのボリュームを発する。

一方、1900rpmという低回転から発生する30.6kg-mのトルクを活かして、エンジンを高回転まで回す必要があるような場面は、追い越しか、高速への合流程度に限られる。そして、いったんスピードに乗ってしまえば、エンジンは再び静けさを取り戻す。

ほとんどの場面で8速オートマティックはスムースな変速を見せるが、特に低速でアクセルを急に踏み込んだような場合には、多少のショックを伝えてくる。ステアリングコラムに固定されたパドルシフトによるマニュアル変速が可能であり、この機能は特に下り坂でエンジンブレーキが必要な場合には有効だろう。しかし、DS 7は攻め込むような運転を楽しむタイプのクルマではない。

このクルマは突出したダイナミズムよりも、快適さに重きをおいているのだから、それも当然だろう。そして、ディーゼルモデル同様、快適さに関しては十分な満足を与えてくれる。乗り心地はソフトで心地良く、ときおりダンピング不足を感じるかも知れないが、ほとんどの場面で、まるで路面不整など存在しないかのようだ。


これにはアクティブ・サスペンションが大きな役割を果たしており、「コンフォート」モードを選択すると、カメラが前方の路面を分析し、その結果に応じたダンパー調整を行う。コーナーではそれなりのロールを伴い、路面のアンジュレーションによってボディは上下動を見せるが、DS 7が姿勢を崩したり、バランスを失うように感じることは決してない。しかし、一方でそのフワフワとした乗り心地が、ドライバーを攻め込む気にさせないのも事実だろう。

ロック・トゥ・ロックが3回転となるステアリングラックのレシオは比較的スローで、フィールに乏しくとも、正確性は十分だ。

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