マクラーレン、急成長のワケ 各部門チーフに聞く成功の秘訣 後編

公開 : 2018.08.05 08:10  更新 : 2019.05.04 13:03

なぜ「数のゲーム」以上なのか

マクラーレンの営業販売のグローバルヘッドであるジョリオン・ナッシュは、ウォキングで最も完璧な服装をしている。前職がロールス・ロイスだったのだ。彼は急成長しているスーパーカーの会社が今後とも商業的に成功を続けるための計画をかいつまんで話してくれた。

マクラーレンはナッシュが来てから急激に大きくなった(彼は2014年入社だ)。しかし彼の描くビジョンは、不確実性の時代にあっても、がむしゃらな拡大よりサスティナビリティを重視したものである。

彼によれば、マクラーレンの「未来への容赦なき前進」とは最高の技術を求める燃え盛る欲望、あるいは多くのすぐれたプレーヤーたちが敗れ去った競技場でのビジネス的成功という意味であり、ただ単に数字だけを追いかけるものではないという。マクラーレン・オートモーティブは「すごく大きくなる必要もないし、望んでもいない」と彼はという。

ふたつの重要な目標があるとナッシュはいう。ひとつはブランドの認知度を世界中でさらにもっと高めること(多くの有望な市場にさらに食い込んでいかなくてはならない)。もうひとつはマクラーレンが開放的で型に縛られない会社であることを(今までの顧客も含め)広く認識してもらうこと(厳粛でストイックな会社だという従来のイメージを打ち破る必要がある)。このふたつは長い目で見た会社の安定性につながるのだ。

「もしクルマが好きで本気でドライブをしたいなら、マクラーレンを買うべきです」静かに、しかし確固たる信念をもって彼はいう。クルマの営業販売のトップには、実質よりも粉飾に精を出していると非難される奴もいるが、この男はそうではない。

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