タイプR登場も期待! ホンダの小型EV『スーパーワン』が受注1万1000台突破 開発者が作りたいように作ったファンなスポーツカー

公開 : 2026.06.22 11:45

ホンダの小型EV『スーパーワン』が売れに売れています。発売から2週間ほどとなる6月初旬の取材時点で、実に約1万1000台を受注しました。開発者が作りたいように作ったファンなスポーツカーを、編集部ヒライが取材します。

売れに売れている

本田技研工業(以下ホンダ)の小型EV『スーパーワン』(Super-ONE)が売れに売れている。昨年のジャパンモビリティショー2025で初公開し、今年4月10日に先行予約開始。5月21日に発売を開始したところ、6月初旬の取材時点で、実に約1万1000台を受注したという。

その後も受注は伸びていて、実際に注文した知人によれば、今からだと納車は年明けの可能性が高いという。これは、ホンダにとって嬉しい悲鳴だろう。

6月初旬の取材時点で、実に約1万1000台を受注したという『ホンダ・スーパーワン』。
6月初旬の取材時点で、実に約1万1000台を受注したという『ホンダ・スーパーワン』。    平井大介

購入しているのは筆者と同じ50歳代の男性が圧倒的に多いという。確かにシティターボIIを思わせるホットハッチへのノスタルジーだけでなく、何だか楽しそうな雰囲気は大いに共感できるもの。

『電動化の踊り場』という言葉を我々メディアはよく使うが、商品に魅力があればEVかどうかは関係ないことを、今回のヒットは物語っている気がする。もちろん燃料代高騰や補助金という、EVにとって追い風があることは見逃せない。

もうすぐ軽乗用車EV市場がホットに

ちなみに英国では既に新車登録の4分の1以上がEVとなっているが、未だ数パーセントに過ぎない日本も、数年後にはだいぶ増えると思っている。もうすぐ軽乗用車EV市場がホットになるからだ。

まず7月28日に『BYDラッコ』がデビューし、来年には新ブランドであるエムタから新型軽乗用車EVが投入される。スズキはジャパンモビリティショー2025で市販化を予感させるコンセプト『ヴィジョンeスカイ』を公開し、ホンダは先日のビジネスアップデートで、大本命『N-BOX』のEVを2028年に投入すると予告。

『ホンダが考えるファンなEV』がテーマとなっている。
『ホンダが考えるファンなEV』がテーマとなっている。    平井大介

乗用車でも『スバル・トレイルシーカー』の販売好調など、EVに関するいいニュースが聞かれるようになってきた。

スーパーワンで一番いいと思うのは、ホンダの開発者が作りたいものを好きなように作ったところだ。『ホンダが考えるファンなEV』がテーマとなり、関係者の話を聞いていると、もちろん制約ゼロではないが、企画の段階でイチから考えることができたという。

今回参加した箱根の試乗会でお話を伺ったエンジニア氏によれば、大きかったのはベースとなるN-ONEのプラットフォームのデキがよかったこと。ボディやコンポーネンツをN-ONE e:と共用するところは前提としてありつつ、その上で、楽しいクルマを追求できたのだ。

おお~スポーツカー

乗り始めると、まず試乗会場出口付近の整地が悪い路面でいきなりガツンと突き上げがあり、「おお~スポーツカーだ」と締め上げた足まわりを実感。

しかし、剛性が高いのかボディが捩れる感じはなく、N-ONE e:の全幅1475mm/トレッド1305mmに対し、1575mm/1345mmと大幅ワイドになったことで安定、安心感もある。足の硬さを感じたのも最初だけで、動き自体はしなやかだ。

足の硬さを感じたのも最初だけで、動き自体はしなやかさもあるものだった。
足の硬さを感じたのも最初だけで、動き自体はしなやかさもあるものだった。    平井大介

資料を見ると、接地点横剛性がN-ONE RSと比べてフロントが約37%、リアが57%向上しており、専用セッティングサスペンション、専用アルミ鍛造ロアアーム、強化リアアクスルビーム、左右等剛性ドライブシャフトと、走りがいかにもよくなりそうなワードが並ぶ。

そして一番大きいのは、車両重量が1090kgに過ぎないこと。EVとしては圧倒的な軽さだ。

箱根の細い道を走っていると、これくらいのサイズが日本ではちょうどいいことに改めて気づいた。ドライブモードは、エコン(ECON)、シティ、ノーマル、スポーツ、ブーストとあり、街中はノーマルで走るのがちょうどいいが、シティではワンペダル走行となり、しかも回生ブレーキがそれほど強くないのが、個人的には気に入った。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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