初試乗 アウディ eトロン・クワトロ EVに新基準、アウディらしさ溢れる

公開 : 2019.01.10 10:10  更新 : 2021.02.09 23:25

優れた回生エネルギー制御 まさにアウディ

標準でエアスプリングを採用することで、乗り心地は素晴らしく抑制が効いており、その車重から想像するとおりのドッシリとしたフィールだが、大きな路面不整でも不快なショックは感じさせずに衝撃を吸収してみせる。ロードクリアランスは調整可能であり、エフィシエンシーモードでは27mm低く、オフロードモードでは52mm高くなる。

優れた回生エネルギー制御システムによって、運転や道路状況に応じてリタデーションは調整可能であり、まったく回生を行わないフリー回転モードから、トレーリングスロットルで最大0.3Gもの制動力を発揮させる最大回生モードまでを選択することができる。

システムに慣れれば、航続距離を伸ばすことも可能であり、WLTPドライビングサイクルにおける最大航続距離は401kmとされている。回生エネルギー制御をeトロン任せにすることも可能だが、ドライバーが積極的に関与することで、まるでエンジンモデルのギアチェンジのようにシフト操作を楽しむこともできる。ブレーキのフィールは極めて自然であり、EVではしばしば見られる不安定なストロークやまったく生気のないペダルのレスポンスといったものとは無縁である。

だが、eトロンでもっとも素晴らしいのは、まさにアウディに相応しいモデルだと感じさせてくれることだろう。その真骨頂が見事なインテリアであり、まさにEVモデルにおける新たなスタイルと品質、そしてエルゴノミクス基準を打ち立てることに成功している。

特徴的なバーチャルコクピットディスプレーやコントロールといったものを含め、通常のアウディのモデルに期待するすべてがこのクルマには備わっている。ドライビングポジションと収納も素晴らしく、ボンネット下の60ℓとトランクの600ℓを合わせた計660ℓのスペースは実用性にも優れる。さらにリアシートを折りたためば、スペースは1725ℓにまで拡大する。

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