EV一択で必要な器量には届かず? 新型 レクサスES 350e(2)極めて快適に移動できるものの、内容は保守的
公開 : 2026.08.13 18:10
英国では販売終了したLSの役目を担う、新型レクサスES。同市場で一択となる電動パワートレインは、トヨタC-HR+と共有されますが、フラッグシップの器量には届かずと分析します。UK編集部の試乗です。
もくじ
ー存在感が薄く流暢なパワートレイン
ー概ねマイルドな市街地での乗り心地
ー強みとは呼びにくい航続距離と急速充電
ーフラッグシップへ必要とされる器量に届かない
ーレクサスES 350e プレミアム・プラス(英国仕様)のスペック
存在感が薄く流暢なパワートレイン
レクサスES 350eは、高級サルーンとして不満ない、気品ある走りの特性を叶えている。広々とした空間に収まり、優しく包み込むシートへ身体を預け、極めて快適な移動へ浸れる。往年のアメリカン・サルーンのような雰囲気を、仄かに感じながら。
駆動用モーターの最大トルクは27.3kg-mだが、絶対的なパワー感に不満なし。アクセルレスポンスも好ましい。称賛するほどの特徴があるわけではなく、凡庸に思えなくはないが、ここまで存在感が薄く流暢なパワートレインを作ることは簡単ではない。

回生ブレーキの効きは、パドルで調整可能。キャビンの遮音性は高く、ロードノイズや風切り音は殆ど耳に届かない。洗練度は、非常に高いといえる。
サスペンションは、エントリーグレードのプレミアムでは通常のパッシブダンパー。それ以上では、AVSとレクサスが呼ぶ、アダプティブダンパーが組まれる。試乗車には、後者が備わった。
概ねマイルドな市街地での乗り心地
アルミホイールは、19インチか21インチを選択可能。どちらを選んでも、都市部周辺での乗り心地は概ねマイルド。低速域での細かな凹凸は巧妙に処理され、高速道路での落ち着きも素晴らしい。
ただし、大きな寸法や車重を実感する場面はゼロではない。舗装の段差では振動が伝わることがあり、うねるような路面では、ボディ全体が揺さぶられる場面もあった。高めの速度域では、ダンパーの減衰力が若干不足気味のようだ。

艷やかなレザーが巻かれたステアリングホイールは、直径もリムの太さも絶妙。手のひらへ馴染むように握れ、心地良い。しかし、操舵感は若干スポンジー。手応えに、僅かな曖昧さがあるように思えた。
飛ばし気味にカーブへ飛び込んでも、アンダーステアは抑えられ、フロントタイヤは粘り強く路面を捉える。スタビリティ/トラクション・コントロールの介入も、穏やかで自然。大きな電動サルーンだから、気張って走るドライバーは多くないはずだが。
強みとは呼びにくい航続距離と急速充電
全長5m超え、車重2.1t超えのサルーンとして、電費はかなり良好。日常的な条件なら、6.4km/kWhを超えることも難しくないようで、現実的な航続距離は約480kmとなる。他方、高速道路では400km程へ短くなると予想できる。
BMWやアウディといったドイツ勢が擁する電動サルーンは、実際に600km以上を1充電で走ることも可能。強みと呼べる性能ではないものの、及第点といえる距離は実現できている。技術進化は熾烈で、訴求力の維持は簡単ではないとしても。

急速充電は、最高で150kW。こちらも、売りになるほど速いわけではない。
英国価格は、6万ポンド(約1290万円)を僅かに切るところからスタート。試乗車のプレミアム・プラスは、6万8245ポンド(約1467万円)へ上昇する。これは航続距離の長い、ボルボES90のエントリーグレードと横並び。アウディA6 e-トロンとも遠くない。























































































































































