「手頃な価格に感動を加える」 フィアット・トポリーノがバチカン市国で正式採用(後編) 小さいがゆえの利点と欠点
公開 : 2026.08.13 17:10
フィアット最小のモデルである『トポリーノ』が、世界最小の国であるバチカン市国で正式採用されました。マイクロモビリティとして性能もサイズも限られていますが、果たして活躍はできるのか。実際にバチカンを走りました。
世界最小の国で大活躍の予感
なぜフィアットは、苦戦が予想される小型四輪車市場に参入し、ビジネスチャンスを掴むことができたのだろうか。
「やり方次第です」と、フィアットの欧州責任者ガエターノ・トレル氏は言う。「トポリーノでは、ステランティス内の製品である(シトロエン)アミにフィアットならではのDNAを注入し、お客様が思わず笑顔になるようなものを開発しました。他のマイクロモビリティと比較すれば、トポリーノがスクーターではなく小さな乗用車であることがすぐに分かります。安全性と広さを感じられるからです」

フィアットのマイクロモビリティ部門責任者であるジョルジオ・ネリ氏は、中国メーカーの参入が見込まれることを踏まえ、このカテゴリーでの競争は今後さらに厳しくなる可能性があると付け加えた。「彼らがどう動くかは分かっています。価格戦争になるでしょう。しかし、わたし達は手頃な価格だけにとどまらず、そこに感動を加えようとしているのです」
ネリ氏は、トポリーノとアミが小型四輪車の市場を大幅に拡大させたと指摘し、欧州の政府に対し、自動車メーカーのCO2排出量を評価する際にこうした車両の販売台数を考慮するよう働きかけている。同氏は、小型四輪車が炭素排出量の削減において重要な役割を果たしていると主張する。そして、その主張はバチカンで実証されようとしている。
世界最小の国家であるバチカンが、フィアット最小のモデルに強い関心を寄せているのだ。
バチカンではほぼ欠点なし?
バチカンはつい先日、トポリーノと(三輪商用EV)トリスを合わせて30台導入する契約を締結した。これらはバチカン内で運用される予定だが、どちらも「ポープモービル」として使われるわけではない。トポリーノはスタッフが建物間を素早く移動するための手段として、トリスは庭師たちが使用する予定だ。
これは、バチカンが2030年までに全車両をゼロ・エミッション化しようとする取り組みの一環であり、このイニシアチブは「エコロジカル・コンバージョン2030」という実に素晴らしい名称が付けられている。

率直に言って、もし筆者がバチカンで働いていたとしたら(そんなことはまずあり得ないが)、この取り決めに大喜びするだろう。トポリーノはこの国にぴったりだ。坂道を軽快に駆け上がり、ヘアピンカーブもスピードと勢いで攻略できる。道路も比較的静かなため、小さなクルマを運転していても実に安心感がある。
そして、わずか74kmという航続距離も、これほど小さな場所では問題にならない。ボディの小ささすらも実際には大した問題ではない。トランクがないため犬を飼っている人には不便だろうが、バチカン市国のウェブサイトによると、住人はいかなる種類のペットも飼っていないため、それも問題にならない。





















