試乗 フェラーリ・ポルトフィーノ 600ps クイック過ぎるグランドツアラー

公開 : 2019.01.25 10:10  更新 : 2021.09.26 17:00


毎日乗れるフェラーリ

フェラーリによれば、1968年のデイトナにインスピレーションを受けたスタイリングを、ポルトフィーノに与えたとしている。ルーフを閉じれば、それを実感できるというが、読者の皆さんはどうお感じだろうか。でも、オリジナルのデイトナなら、走るだけで歩道からの熱い視線を感じるはずだが、ポルトフィーノはそんなことはない。

私感では、F12ベルリネッタを最後にマラネロがピニンファリーナと手を切って以降、インハウスデザイナーは同じデザインの領域にまで及んでいないように思う。だが、リアデッキに並ぶ繊細なエッジが施されたふたつの峰や、トランクリッドの面構成などは、エレガントな雰囲気を漂わせている。

それでは、この最も日常に近いフェラーリは、実際の毎日でどれほど実用的なのか。恐らく、問題なく普段遣いとして乗れると思う。四季を問わず、ほとんどの天候でも普通に走れるだろう。冬の時期に用意されるフェラーリの試乗車の例に沿って、このポルトフィーノにもミシュラン・パイロットアルペインと呼ばれるスタッドレスタイヤを装着している。20インチという大径の鍛造ホイールに。ただ、試乗した日は季節外れの暖かさではあったのだが。

AUTOCARのロードテストの拠点となる、ロンドン郊外から運んできた撮影機材もかなりの量がある。しかし、このモデルなら、さほど心配する必要もない。不意の状況にも合わせやすく、多少の荷物も簡単に積める。撮影しやすい天気を待つくらいだ。24万ポンド(3312万円)のGTC4ルッソならこうは行かない。ポルトフィーノの備える重要なポイントだろう。それでは、走ってみたらどうだろう。

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