試乗 フェラーリ・ポルトフィーノ 600ps クイック過ぎるグランドツアラー

公開 : 2019.01.25 10:10  更新 : 2021.09.26 17:00


どんな感じ?

入門モデルでも0-100km/hは3.5秒

ポルトフィーノは、カリフォルニアTよりも当然速い。0-100km/h加速は、昨今のスーパーカーでは珍しくはないものの、3.5秒。最高速度は320km/hに達する。エンジン本体はキャリーオーバーとなり、90度のバンク角を持つ、3.9ℓのツインターボV8。しかし、新しいピストンとコンロッドを採用し燃焼圧を高めるとともに、排気圧の効果的な利用を促す、新しいエグゾーストマニフォールドがターボに組み合わされている。インテークパイプを大径化することで吸気量を増やし、インタークーラーとエグゾーストシステムも新設計のものに置き換えられた。

ピストンのストロークは82mmで、エンジンブロックとしては関係性の深い488GTBのものよりもわずかに短く、排気量もそれに応じて若干小さくなっている。点火タイミングが等間隔で排気効率が良いフラットプレーン・クランクシャフトを採用し、ドライサンプ化されていることは共通だ。

また、極めて軽量なボンネットを開けると、エンジンの見た目にも大きな変化はない。アルミニウム製のストラットブレースが左右に伸び、細かいシボの付いた赤いヘッドカバーが、フロントアクスルの後ろ側に鎮座している。主観的には、カリフォルニアのものよりパイピングが滑らかで、ポルトフィーノの方が魅力的な眺めだと思う。

大きく口を開いたフロントバンパー周りやヘッドライトのデザインは、昆虫のようでもあり、812スーパーファストにも似ている。しかしボディ全体のプロポーションは大きく異なる。昨年の発表時点でも触れたが、往年のV12エンジンを搭載したフラッグシップ・モデルのシルエットを、最新のフェラーリに落とし込んだのだ。

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