試乗 アウディRS5スポーツバック WLTPに適合 450ps 優れた長距離クルーザー

公開 : 2019.07.27 09:50

アウディらしいスマートな雰囲気の車内

しばしば反社会的な威圧感さえ漂わせる、BMW Mやメルセデス-AMGの高性能モデルとは異なり、アウディのハイパフォーマンスモデルは、それほど人目をはばからないで済む。アウディ好みの性能重視のスタイリングは、たいてい派手といえるものではないから、歩道の視線を浴びる心配はない。

しかしRS5スポーツバックは、C63やM3よりも洗練された、ドイツ御三家の1台として見られるはず。しかも今回は20インチのアルミホイールに、深い艶のブラックトリムがボディを飾り、アウディ・スポーツ・エディションの装備でもあるスポーツエグゾーストからは元気のいい排気音を響かせる。分かるひとは振り返るに違いない。

インテリアはこれまで同様にスマートなデザインでまとめられている。ふんだんにアルカンターラとレザーが用いられ、ドイツ製のプレミアムサルーンにふさわしい空間だ。アウディの新しいモデルに導入されているデュアルスクリーンのインフォテインメント・システムは備わらず、RS5のインテリア自体は若干古びて感じられるかもしれない。しかし、実際はいまだに非常に居心地がいい空間だ。なだらかに傾斜するルーフラインを持つボディながら、車内は充分に広々している。

運転して楽しいのか、という点がAUTOCARの読者の気にするところだろう。ここ数年、我々は必ずしもアウディのハイパフォーマンス、モデルに対して必ずしもすべてに楽しいという回答はしてきていない事実がある。

100%すべてのクルマが楽しいといい切れない理由のひとつに、クワトロGmbH社がアウディスポーツへと生まれ変わった際の方針にある。スーパースポーツを生み出すのではなく、日常的なドライバーへのプレミアムスポーツを届けると、ブランドの方向性を決定したのだ。

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