【501psのPHEV版も】リンカーン・アビエイター・ブラックレーベルに試乗

公開 : 2019.12.17 09:50  更新 : 2019.12.20 10:10

幸せを感じるほどに堂々と高速で走る

この組み合わせは、路面の凹凸の処理には適している様子。反面、スプリングは柔らかく、アクティブ・アンチロールバーが備わらないから、明確なボディロールは許してしまう。加減速時にはフロントの上下動も小さくない。ただし、ゆらゆらと落ち着きがないわけではない。

シャシーは力強い加速も得意科目といえる。グリップレベルは控え目ながら、アビエイターは充分なペースを保って歩みを進めていく。堂々とハイペースで走る振る舞いには、幸福感すら漂う。

リンカーン・アビエイター・ブラックレーベル
リンカーン・アビエイター・ブラックレーベル

インテリアは広々としており、大部分で仕上りも上質。デザインとしては、このクラスのライバルと比べるとどこか前世代的な部分がある。エアコンの操作ノブは金属製のノブとピアノブラックのボタンで操作する。

インターフェイスはシンプルで使い勝手は良いとはいえ、インフォテインメント用モニターのサイズは10.1インチ。同じクラスのSUVの中では大きい方ではない。

上級グレードには30モードの位置調整が可能な、パーフェクト・ポジションシートを採用。座面も部位によって細かく高さが変えられるオプションもある。きっと自分の身体にピッタリのシートへ調整できるのだろうけれど、調整項目が多すぎて、試乗時間では足りなかった。

インテリアに用いられている素材は全般的に高級感があるが、硬質なプラスティックも散見される。2列目シートのベース部分などは顕著だ。

価格は欧州プレミアム・ライバルに並ぶ

車内空間は充分に広いものの、3列目はあくまでも短距離移動用。少々窮屈だし、シートの肉厚も前方2列と比べると遥かに薄い。

リンカーン・アビエイターは北米から輸出もされるが、欧州や日本への正式導入は今のところ予定にない。ベースとなるフォードエクスプローラーを含めて、右ハンドル市場への導入は見送られているのが現状。

リンカーン・アビエイター・ブラックレーベル
リンカーン・アビエイター・ブラックレーベル

北米でのアビエイターの課題は、価格だろう。ベーシックグレードの後輪駆動モデルの場合、5万2195ドル(563万円)。4輪駆動のブラックレーベルが8万1790ドル(883万円)で、PHEV版になると8万8895ドル(960万円)にもなってしまう。さらにダイナミック・ハンドリングパッケージを付ければ、3000ドル(33万円)が上乗せだ。

この価格は、BMW X5メルセデス・ベンツGLEレンジローバー・スポーツ、ポルシェカイエンなどと直接競合するほどに高い。リンカーン・アビエイターは好印象だが、ライバルより優れているのか? とは聞かないで欲しい。

リンカーン・アビエイター・ブラックレーベルのスペック

価格:5万2195ドル(563万円)
全長:5062mm
全幅:2022mm
全高:1768mm
最高速度:−
0-100km/h加速:6.0秒
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:2218kg
パワートレイン:V型6気筒2998ccツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:405ps/6000rpm
最大トルク:57.2kg-m/2000rpm
ギアボックス:10速オートマティック

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