ロードテスト フォルクスワーゲン・グランドカリフォルニア ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2020.01.11 11:50  更新 : 2020.01.20 06:05

結論 ★★★★★★★☆☆☆

グランドカリフォルニアには、ありがたいことに、評価基準となるモーターホームでの経験があまりなくてもよくわかる長所が少なからずある。ライバルとの比較が必要な点については、助言をもらった専門誌のプラクティカル・モーターホームに感謝したい。

この手のクルマに詳しくなくても、すぐにわかるのが優れた質感と高級なマテリアルを備えていること。また、すばらしく快適で、洗練されていて、ドライバビリティも上々だ。

大きなカリフォルニアは高級だが、クルマとしてのデキは弟分の半分にも及ばない。
大きなカリフォルニアは高級だが、クルマとしてのデキは弟分の半分にも及ばない。    OLGUN KORDAL

しかしながら、残念な点もあった。とくに気になるのがキャビンの非効率的なレイアウトで、その代表格がトーテムポールのように突っ立つウェットルームだ。そして、それがこのクルマの室内を、期待したほど広くないと感じさせる原因になっている。

もしも弟分のカリフォルニアのパッケージングが、奇跡的なほど融通の効くものだったなら、このグランド版は大きいのに、クレバーさでは半分も及ばない。また、走らせてみても商用車ベースという出自を隠し切れていない。

これに安からぬ出費をして、よくできたモーターホームを買い求めるなら、走りよりも空間効率を重視するだろう。そしておそらく、フォルクスワーゲンの野心的な価格設定には見合わない。どうなるかは、時のみぞ知る、といったところだが。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

自走式のモーターホームと、牽引されるトレーラーハウス、どちらが好みかと言われれば後者だ。ガソリンタンクの上で寝るというのは、どうにも落ち着かない。いらぬ心配だとは思うのだが。

リチャード・レーン

カリフォルニアのオーナーたちに話を聞いたら、口を揃えていうだろう。フォームのマットレスで十分だと。ほんの数cmの厚さの違いに目を向けようとはしないが、グランド版の本格的なベッドも是非試してほしい。

オプション追加のアドバイス

ショートボディの600一択でいい。どうしても、7mもあってツインベッドを備えるキャンピングカーが必要なら、話は違ってくるが。2490ポンド(約34.9万円)のルーフ上ベッドと1740ポンド(約24.4万円)のソーラーパネル、954ポンド(約13.4万円)のオーニングテント、282ポンド(約3.9万円)の後方カメラ、660ポンド(約9.2万円)の電気式キャビンヒーターは装備したい。

改善してほしいポイント

・寝室エリアは、もっとアレンジしやすいほうがいい。ベッドを使わない際に、無駄になるスペースが多すぎる。
・トイレの位置は見直しを。
・ロングボディ版に、ベッドを追加する術を探ってほしい。

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