ロードテスト 日産ジューク ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2020.02.08 11:50

内装 ★★★★★★★☆☆☆

風変わりでファンな初代ジュークのインテリアデザインは、新型ではややトーンダウン。同時に、マテリアルの質感を引き上げ、テクノロジー的な魅力を高めようとした努力の跡がハッキリと見て取れる。

それでもヴィジュアル的なキャラクターは強く、楽しげな要素も明らかに見受けられる。どちらも、より上位のテクナ+グレードを選べば、今回のテスト車よりさらにアップする。

パッケージングや快適性のクラスベストに躍り出たわけではないが、後席と荷室は、かつての最下位レベルからみごとに脱している。
パッケージングや快適性のクラスベストに躍り出たわけではないが、後席と荷室は、かつての最下位レベルからみごとに脱している。    OLGUN KORDAL

だが、デザインのセンスのよさが受け継がれたとはいえない。その代わり、ライバルに対抗しうるキャビンスペースや質感を手に入れた。

先代ジュークのセンターコンソールは、サイズが非常に大きくて、コントラストのハッキリしたものだった。新型はそれより平凡な形状となり、ボリュームも抑えられた。

デザイン要素は控えめになり、今回のテクナ仕様ではレザートリムが張り込まれた。そこにはスターターボタンや走行モードのセレクター、リング状のアンビエントライトに囲まれたシフトレバーが据え付けられている。

ドライビングポジションはやや高く、わずかながら脚を曲げ気味に座らされる、コンパクトクロスオーバーにありがちなもの。トラディッショナルなハッチバックより、乗降性や外界の視認性には優れている。

メーター類はアナログで、十分なサイズのデジタル式ドライブコンピューター用ディスプレイが、計器盤の中央に鎮座。トリップコンピューターの一般的な項目や、エンターテインメント系の情報を表示する。

もちろん、今やこのクラスでも高級さを売りにするモデルなら、フルデジタルの計器パネルを備えていてもおかしくない。とはいえ、ジュークのアナログメーターが古臭いというようなことはまったくない。鮮明で、シンプルで、好みに合わせて容易に調整もできる。

レザーとクローム調プラスティックを日産が用いたのは、ジュークの上級移行を狙ったことを示している。それなりに成功してはいるが、質感の一貫性がやや不足している。

プラス要素としては、室内スペースの広さが挙げられる。あまりにも実用性に欠けた先代モデルを思えば、そこからの拡大ぶりはなかなかのものだ。

パッケージングや快適性のクラスベストに躍り出たわけではないが、後席と荷室は、かつての最下位レベルからみごとに脱している。

先代ジュークの後席は、背の高い大人ならば乗り込みたくない場所だったが、新型ではまともに座れるようになった。

荷室容量も先代比20%増量の422Lを実現。まだ主なライバルには水をあけられてはいるが、高さ調整式フロアを備え、積み下ろしの際のアクセスがしやすくなっている。

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