時代遅れのモデル？

運転好きであれば気になるだろうが、一方で平均的なNXオーナーがスロットルペダルを50%以上踏み込むことなどほとんどないに違いない。

だが、50%以上スロットルを踏み込んでみれば、このエンジンの見過ごすことの出来ない問題点が明らかとなる。高回転を好まないエンジンを「プレミアム」などと呼ぶことは出来ないだろう。

深く腰掛けることの出来るシートが今回集まった4台のなかで最高の快適性を感じさせるとともに、高級感溢れるキャビンや、レクサスならではの高い組立品質を誇るNXだったが、他の3台に比べその古さは否めなかった。

時代遅れのパワートレイン続いて、このクルマではスペースも不足していた。CR-VやRAV4と同じく、リアシートにはリクライニング機構が備えられていたものの、トランクはもっとも小さく、その開口部の位置ももっとも高い。

トランク容量に関してはNXが475Lに留まる一方、CR-Vは497L、フォレスターが520L、そして深さはあるが奥行きの少ないRAV4が580Lという結果だった。

直観的な操作がもっともやり難いインフォテインメントシステムは言うに及ばず、平凡な燃費性能（この点については後ほど説明しよう）など、NXはデザインを優先した典型的なモデルだと言えるだろう。

それでも、将来的にハイブリッドSUVを購入しよう考えるひとびとであれば、スタイリングの魅力とその高価なプライスタグを見て、このニッチな市場でNX以外に検討に値する1台など存在しないと思うかも知れない。

自然なフィール

だが、CR-Vハイブリッドのステアリングを握って数分もすれば、自らが犯した判断ミスを思い知らされることになるだろう。

この世界でもっとも売れたクロスオーバーモデルの5代目は、初めてハイブリッドパワートレインを採用したCR-Vでもあり、まさにハイブリッド用に創り出されたモデルだと感じさせる。

レクサスと比べると、184psを発揮する電気モーターの上流側に配置された2.0L VTECガソリンエンジンは控え目な存在であり、主にリチウムイオンバッテリーを充電するための発電用モーターを駆動する。

複雑なシステムのように聞こえるかも知れないが、実際には驚くほど自然なドライビングフィールを実現しており、広々とした落ち着きあるキャビンがこの感覚をさらに強めている。

シングルスピードオートマティックギアボックスを採用しているCR-Vは、低速からまるでEVのようなレスポンスを発揮しており、ほとんどの場面をEVモードで走行する。

そして、より多くのパワーが必要となってもこのパワートレインの穏やかさが失われることはなく、他の3台のように突然エンジンが唸りを上げたりはしない。

高速走行時にはロックアップクラッチによってエンジンが直接駆動輪と接続されるが、この時のフィールも自然であり、何時でもドライバーはパドルシフトを使って回生発電のレベルを調整することが出来る。

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