【意外な共通点?】スズキ・アルト、2020年末フルモデルチェンジ濃厚 スマートが学んだこと

公開 : 2020.04.27 05:50  更新 : 2020.04.27 10:56

スマートスズキアルトに学んだ!?

欧米人がジャパニーズマイクロカーと呼ぶのは、軽自動車のことだ。

ダイムラーが時計メーカーのスウォッチとの合弁事業として、スウォッチカー(のちのスマート)を企画したのは1990年代初頭。

1990年 3代目スズキ・アルト(新規格)
1990年 3代目スズキ・アルト(新規格)

となると、彼らが研究材料としたのは、93年デビューのワゴンRではなく、3代目アルト(1988~1994年)が相当すると考えられる。

当然、アルトという商品に対するスズキの思想や、日本人のライフスタイルについても詳細に調査したに違いない。

その中で、スズキは織機から二輪車を経て、1955年に量産型初の軽「スズライト」を世に送り出したこと。

70年代には女性の社会進出が盛んとなり、それまで商用が主流だった軽に大きなビジネスチャンスが生まれたこと。

結果、狭い日本でも一家に2台目を可能とするため、アルトが47万円で登場したことなど、スズキ全体を研究したはずだ。

スマートは一時、三菱がダイムラー傘下だったこともあり、三菱車を生産していたオランダのネッドカーで4ドア車「フォーフォー」生産など、事業として迷走した。

だが、ダイムラーにより事業再編され、ルノーとの協業へと転換。今後は、中国のジーリーと連携したEV専用ブランド「スマートEQ」として次世代へと向かう。

スマートも、またアルトも、社会の変化に応じて、その役目を変えていくのだ。

9代目スズキ・アルトはどうなる?

では、20年末にフルモデルチェンジが濃厚な9代目アルトは、どんなクルマになるのだろか?

まず言えるのは、アルトの基本からはぶれない。

現行型スズキ・アルト(8代目)
現行型スズキ・アルト(8代目)

軽量化、低燃費、使い勝手をベースに、ユーザーの日常生活を楽しくする、という基本姿勢だ。

なかでも、アルトの売りは軽量化だ。

昨年(2019年)にスズキ以外で発売された軽の開発責任者に取材した際、彼は「スズキ車も徹底研究したが、他社と比べて、とにかく軽量化技術を極める姿勢が凄い」と驚いていた。

スズキにとって、アルトは軽量化の代名詞。8代目が先代比で60kg軽量化を実現したが、9代目はどれほど軽くなるのか?

プラットフォームは8代目に新開発しているので、今回はその改良型と推測される。

エンジンは、マイルドハイブリッド「Sチャージ」導入が噂されるが、果たして……。

そうしたなか、最大の関心事はデザインではないだろうか?

近年、軽のデザインの幅は大きく広がっている。スズキでいえば、「ジムニー」が原点回帰をモチーフに現代版へ進化、「タント」「Nボックス」「スペーシア」というハイト系は使い勝手を徹底追及、また6月には遊び心での新しい発想とした「タフト」登場。

こうした中、軽の代名詞であるアルトは、時代の流れをどのように取り入れた姿になるのか。

大いに期待したい。

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