【ベントレー4台で英国縦断2泊3日】ジュネーブ・ショー中止が生んだ旅 後半

公開 : 2020.06.23 15:20

悦に入るコンチネンタルGTコンバーチブル

高速道路を降り、コンチネンタルGTコンバーチブルでイングランド郊外を北上する一般道を選ぶ。そこでベントレーの2つの真実を、改めて体感した。

荒れた路面で姿勢制御が問われる場合、サスペンションはベントレー・モードが最適だということ。そしてコンバーチブルのボディ剛性は、いかなる状況でも揺るがない強さだということ。

ベントレー・フライングスパー(英国仕様)
ベントレー・フライングスパー(英国仕様)

午後の気温は3度にまで落ちていたが、ソフトトップは開いて走った。ベントレーのコンバーチブルに乗ると、いつもクーペより筆者向きだと悦に入る。宝くじが当たったら、選びたい。

ところが、コンチネンタルGT V8クーペに乗り換えると、こちらの方がより優れていると感じてしまうからたちが悪い。もちろん、洗練性に大きな違いはない。

ソフトトップを閉じれば、コンバーチブルはクーペと変わらない上質さが得られる。だが、クーペの方が、よりシンプルで本質的だからだろう。

2日目、日曜日の午前中に筆者が運転したのが、コンチネンタルGT V8クーペ。ペアを組んでいた陽気なステファン・ドビーは、前日は道に迷い続けた別のペアのために、違うベントレーを運転することになっていた。

このクーペは、4台のベントレーの中で一番手が届きやすい。アルパイン・グリーンのボディに、モノトーンのダークカラーでインテリアはコーディネートされている。価格は15万1800ポンド(2003万円)で、控えめに4000ポンド(52万円)のオプションが載っている。

その内容に、気にらない人はいるのだろうか。最もベーシックなベントレー・コンチネンタルGTへの興味を高めてくれる、素晴らしい事実だ。

お気に入りはコンチネンタルGT V8クーペ

ベントレーには、思わず悩むほどのアップグレード・メニューが用意されている。だが、内装トリムや装備、仕立ての上質さも含めて、基本的なコンチネンタルGTであっても、トップクオリティに変わりはない。

3日目、月曜日に筆者のもとへ来たのは、SUVのベンテイガ。極めて速く、優れた実力の持ち主で、18万2200ポンド(2405万円)もうなずける。ほかの3台を経験済みでも、紛うことなきベントレー。背が高いだけだ。

英国を縦断するベントレーの車群
英国を縦断するベントレーの車群

見下ろせる着座位置は、狭い道での運転を助けてくれる。直立気味の運転姿勢は、コマンドポジション。確実なステアリングと上質な乗り心地は、ベントレーと呼ぶに相応しい水準にある。

ピムズ・レーンからベントレーのショールームまで敷かれた、意図的に表面をザラつかせている誘導路へ入る。ベンテイガの印象は、最後まで変わらなかった。

2泊3日の旅の感想。1340kmを走った後でも、目的地へ着いたことが残念でならなかった。この後味こそ、長距離走行に長けたベントレーの資質を物語っている。

モデル開発に対する徹底的ぶりも、強く心に残った。どんな状況や路面環境であっても、見事に順応してくれる。

わたしのお気に入りは、4.0Lユニットを積んだコンチネンタルGT V8クーペ。スタイリングも素晴らしい。エンジンは個性豊かなフィーリングで、音響面でも秀でている。

といっても、4台すべてが変わらぬクオリティと、同等のケイパビリティを備えている。別の旅程を楽しんだのなら、もしかすると、別のフライングBを選んだかもしれない。

おすすめ記事

 

自動車ニュースの人気画像