【DB6を電動化】純EV版アストン マーティンDB6へ試乗 未来を走るクラシック

公開 : 2020.08.05 10:20

価値あるDB6ヴォランテを、アストン マーティン自らの手で純EV化する計画が進められています。将来的にクラシック・アストンを走らせて楽しむ、主流の手段となるのでしょうか。英国編集部が試作モデルへ試乗しました。

もくじ

クラシックを次の100年も走らせたい
直列6気筒のかわりにモーターとバッテリー
マフラーやメーター類も残されている
オリジナルのDB6にできるだけ近づけたい
システムはDB4とDB5、DBSにも利用可能

クラシックを次の100年も走らせたい

text:Mike Duff(マイク・ダフ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
多くの自動車メーカーは、純EVが自動車の未来の1つだと考えている。では、過去のクルマはどうなるのだろう。石炭自動車のように、走れなくなる日が来るのだろうか。

今回試乗したのは、ほぼ無音で走る電動のアストン マーティンDB6。未来に対する疑問の、回答の1つといえそうなクルマだ。

アストン マーティンDB6ヴォランテ EV版プロトタイプ
アストン マーティンDB6ヴォランテ EV版プロトタイプ

アストン マーティンのクラシックモデルのレストアなどを行う、アストン マーティン・ワークスの代表、ポール・スパイアーズはこう話す。「次の100年も走れるように、カバーしていく必要があります。これらのクルマを、博物館の展示品だけにしないために」

今のところ、内燃エンジンを搭載したクラシックモデルの走行を禁止する法律が制定される予定はない。英国でも、主要な市場でも。しかしスパイアーズは、社会的な圧力が存在すると考えている。

技術に理解のある富裕層は、すでに純EVへのシフトを進めている。将来的には、内燃エンジンのサウンドや排気ガスを体験せずに成長する、新しい世代も生まれてくるだろう。

純EV化されたアストン マーティンDB6を、スパイアーズは心臓移植を受けたクルマだと呼ぶ。クルマの基本構造は一切変更せずに、電動化を実現している。従来のエンジンで走行するように、戻すことも可能なのだ。

スパイアーズが続ける。「開発チームへは、このように説明しています。ボディに、余計な穴1つ空けないように、と」

直列6気筒のかわりにモーターとバッテリー

49年前にアストン マーティンの拠点、ニューポート・パグネルを旅立ったDB6ヴォランテ。直列6気筒エンジンがかつて載っていた場所には、電気モーターとバッテリー、コントロールユニットが収まっている。

完成版では仕様が変わるということで、技術的な詳しい情報はまだない。車重はほぼ同等で、オリジナルのエンジンに近い馬力を備えるという。

アストン マーティンDB6ヴォランテ EV版プロトタイプ
アストン マーティンDB6ヴォランテ EV版プロトタイプ

ジャガーも、Eタイプ・ゼロとして似た内容のクルマを生み出しているから、さほど目新しいわけではない。スパイアーズがいうには、ジャガーよりアストン マーティンの方が、EV化へ先に取り組んでいたそうだ。

基本的な構成は決まっているものの、試乗車が搭載するシステムの多くは、まだ未完成。DB6が本来搭載する、5速マニュアルのトランスミッションが残されているが、これも変更される見込み。

完成版では、シングルスピードのトランスミッションになるという。冷却システムも開発途中で、まだ激しい走行には対応できていない。販売される仕様では強制冷却され、タフな走行や、急速充電も可能になるという。

エンジンを電気モーターに置き換える、といっても簡単な仕事ではないはず。DB6の周りを歩いて観察してみたが、ガソリンではなく電気の力で走るということを、停まった状態で見分けることはできないだろう。

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