【621psのアルピナ最強SUV】アルピナXB7へ試乗 X7 M50iを超える動的性能

公開 : 2020.08.15 10:20

アルピナ史上最強のSUVとなるXB7。すでに不足ないBMW X7 M50iをベースに動力性能を強化し、スーパーカー級の最高速を誇ります。反面、燃費とCO2の排出量は犠牲に。ドイツで英国編集部が試乗しました。

621psと81.4kg-mを獲得した4.4LのV8

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
圧倒的な性能を誇るBMW X7 M50iですら物足りないという読者へ、それを超える選択肢をご紹介しよう。新しいアルピナXB7だ。

XB7はアルピナ史上、最も強力な量産SUVとなる。このクルマなら、きっと納得できるのではないだろうか。

アルピナXB7(欧州仕様)
アルピナXB7(欧州仕様)

ラインナップの拡充が図られる、アルピナへ加わったSUVがベースとするのは、BMW X7 M50i。すでに不足ないパフォーマンスを備えた、大型SUVモデルだ。

変更箇所は、大幅に手が加えられたエンジンとトランスミッションのほか、サスペンションやブレーキなど、多岐にわたる。インテリアもアルピナらしい上質な設えが施されている。シートレイアウトは、6名か7名かを選択可能だ。

豪華でラグジュアリーなXB7。最も強いハイライトといえば、やはりエンジンだろう。

4.4LのV型8気筒エンジンは、ツインスクロール・ターボを大型化。水冷システムを2基追加し、インタークーラーはオリジナルのものへ換装。エグゾーストは、アルピナによるステンレス製システムを搭載している。

その結果、最高出力は91ps増しの621psを獲得。最大トルクは5.1kg-m増えて、81.4kg-mを2000rpmから5000rpmにかけて生み出す。

比較としてベントレーベンテイガW12の性能を見てみよう。6.0LのツインターボW型12気筒エンジンの最高出力は608psで、最大トルクは91.6kg-mとなっている。こちらも負けじと凄まじい。

パワフルで、リニアでスムーズ

ベースのBMW X7 M50iが搭載する8速ATにも、アルピナは手を加えている。プログラムをマッピングし直し、シフトパドルによるスイッチトロニック・システムを与えた。

トランスミッション自体には、独自のアルミニウム製オイルサンプを装備。変速スピードを向上させるとともに、より太いトルクにも対応させている。BMW製の四輪駆動システム、xドライブも、ソフトウエアに変更を受けているという。

アルピナXB7(欧州仕様)
アルピナXB7(欧州仕様)

アルピナXB7をスタートさせてみる。ベースのX7から動的性能高めつつ、すべてのレスポンスを向上させ、パワー感やメカニズムの滑らかさも改善させている。見事な仕事ぶりだ。

2000rpmから最大トルクが得られることもあって、スポーツ・モードを選んだ時のパンチ力は驚異的。適度に迫力を増したエグゾーストノートが、気持ちを高ぶらせる。

0-100km/h加速時間は、X7 M50i比で0.5秒短縮の4.2秒。最高速度も高められているものの、タイヤの性能上、アルピナによってリミッター制御される。とはいえ、289km/hも出せるが。

代償として、環境性能は犠牲になっている。平均的な燃費は7.2km/Lに留まり、二酸化炭素の排出量は316g/kmもある。

今回アルピナXB7を試乗したのは、サーキットのみ。実際の道路環境でのドライビング特性や乗り心地は、評価することができなかった。

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