【最新の500は純EV】フィアット500新型 試作車へ試乗 エンジン版と共存へ 後編

公開 : 2020.09.09 15:20  更新 : 2020.09.09 19:04

まったく新しく生まれ変わるフィアット500。初代500から数えると4代目に当たる最新版は、完全な電気自動車になります。従来からのファンだけでなく、アンチ派も好きになる走りだと、英国編集部は評価します。

電気自動車らしくスムーズで洗練された走り

text:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
純EVとなった、最新フィアット500の運転席へ座る。スマートフォンをしまって、スターターボタンを押す。右足でアクセルペダルを踏み込むと、ホイールスピンするほど即時的で強力なトルクで、勢いよく走り始める。初期の電気自動車らしい振る舞いだ。

それだけではない。活発ながらも、適度に抑制が効いている。不足なく、過剰でもない。中間加速も同様。とても楽しい。

フィアット500 プロトタイプ
フィアット500 プロトタイプ

走行中は、ほとんど無音。今までのフィアット500の面影を残すボディに、最新の純EVのドライブトレインが、見事に統合されている。

電気自動車らしく、スムーズで洗練された印象を受ける。クルマの雰囲気に調和し、とても自然だ。

ドライビング・モードには、ノーマルとレンジ、シェルパの3種類がある。シェルパ・モードは、航続距離を最大限に伸ばすモード。バッテリーの残量が少なくなった時に、航続距離の不安を減らすための設定だから、普段は選ばないだろう。

ノーマル・モードはその名の通り。新しい500を2ペダルのクルマとして、普通に運転できる。

レンジ・モードでは回生ブレーキの効きが強くなり、アクセルペダルの加減のみで、ワンペダルでの運転が可能になる。基本的には良く調律できているが、8km/hを切った辺りから動作が過敏になる。回生ブレーキが強く、意図せず停止してしまうこともあった。

量産版への大きな期待

前に進む時は、走っているうちに慣れるだろう。だがバックする際は注意が必要。思わぬ加減速に、戸惑うこともありそうだ。プロトタイプだからかもしれないが、駐車の時はノーマル・モードを選んだ方が良い。

それ以外、フィアット500はシティーカーとして素晴らしい。ステアリングは軽く、視界も全方向で優れている。小回りも良くきくし、交差点や車線変更もキビキビ反応する。カブリオレの場合、ソフトトップを下げてしまうと、後方視界が遮られるけれど。

フィアット500 プロトタイプ
フィアット500 プロトタイプ

トリノの街の舗装は褒められたものではなく、乗り心地は硬めに感じた。しかし不快なほどではなく、従来の500の乗り心地から考えれば、改善といえる。

低い位置のバッテリーが、乗り心地に良い影響を与えているのだろう。高速道路など比較的滑らかな路面や、速度域が上がると、硬さは気にならなくなる。

最終的な仕上げはこれからながら、素晴らしい印象を受けた。トリノの街での試乗は、量産版への大きな期待を感じさせるものだった。

新しいフィアット500の価格と仕様は、まだ不明。ちなみに初期限定仕様のラ・プリマ・ローンチエディションは、英国政府の補助金適用後で、2万6995ポンド(377万円)となっている。

英国での販売価格は、2万1000ポンド(294万円)からが予想されている。電気自動車の低いランニングコストを考えるとメリットを感じる価格だし、ライバルのミニ・エレクトリックやホンダeよりも安い。

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