フィアット・グランデ・パンダ・エレクトリック(2) 能力はいかにも小さなイタリア車 初代の精神を明確に受け継ぐ

公開 : 2026.05.13 18:10

初代パンダの影響を隠さない、直線基調ボディを得たグランデ・パンダ。直感的な操縦性で、巧妙なデザインだけではない、乗る喜びを得られる仕上がりにあります。UK編集部がEV版を評価です。

高速道路でストレスを感じない絶妙バランス

簡素にプレスされたボディと、平面ガラスで製造コストを抑えていた、初代フィアット・パンダ。新しいグランデ・パンダは、スマートカー・プラットフォームの採用でコストを削減している。内燃エンジンと電気モーターの両方に対応した、新設計となる。

バッテリーEV版のエレクトリックに載るのは、112psの永久磁石同期モーター。前輪駆動で、0-100km/h加速を11.0秒でこなし、最高速度は131km/hがうたわれる。

フィアット・グランデ・パンダ・エレクトリック・ポップ(英国仕様)
フィアット・グランデ・パンダ・エレクトリック・ポップ(英国仕様)

全長は3999mmと短く、車重も1459kgと重くはないが、発進加速はややおっとり。しかし、徐々に勢いを増していき、100km/h程度まで軽快に速度を高める。速いと感じることはなくても、高速道路でストレスを感じるほどでもなく、絶妙なバランスだ。

コンフォート・モード時は、アクセルペダルの反応が更にマイルドに。小さなイタリア車らしくキビキビ運転したいなら、デフォルトのままが望ましい。

予定より早い時間で目的地へ到着できる能力

回生ブレーキも、強さは切り替えられない。とはいえ、筆者には丁度良い減速感で、調整できないことへ不満を感じることはなかった。

コンパクトなボディを活かし、操縦性は直感的で身軽。ボディロールは小さく、カーブへ積極的に飛び込め、タイヤはしっかり路面を捉え続ける。ラテンなエネルギッシュさを感じさせる、というわけではないが。

フィアット・グランデ・パンダ・エレクトリック・ポップ(英国仕様)
フィアット・グランデ・パンダ・エレクトリック・ポップ(英国仕様)

現実的な環境では、予想以上に高めの速度を維持できる。予定より早い時間で目的地へ到着できる能力は、いかにも小さなイタリア車。ボディやインテリアのデザイン並みに、際立つ運転体験ではないかもしれないが、魅力はちゃんとある。

ストロークの長いサスペンションは、路面の凹凸を滑らかに処理。大きなうねりで、ボディが揺さぶられることもない。ただし、ハイブリッド版より重い車重を受け止めるべく、乗り心地はやや硬め。ロードノイズも大きいようだ。

現実的な航続距離は300km弱

全体的な洗練性は、フィアットへの期待通り。高めのシートポジションと相まって、長距離ドライブとの相性も悪くない。

試乗車のポップ・グレードの場合、クルーズコントロールやリアのパーキングセンサーなどが標準。制限速度警告は少し反応が過剰で、警告音も耳障りに思えた。

フィアット・グランデ・パンダ・エレクトリック・ポップ(英国仕様)
フィアット・グランデ・パンダ・エレクトリック・ポップ(英国仕様)

航続距離は、過ごしやすい気温の日に様々な条件を走らせた平均で、297kmを記録した。シトロエンe-C3と同等の距離ながら、英国価格は更にお手頃だから、コストパフォーマンスは高いといえる。急速充電は、最高100kWへ対応する。

記事に関わった人々

  • マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

フィアット・グランデ・パンダ・エレクトリックの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事