【あっと驚く53年ぶり大変革】トヨタ社長「もっとあてにして」 国内市場、9月は前年比9割まで回復

公開 : 2020.10.04 07:20

自動車産業「あてにしてもらいたい」

豊田会長は、新旧政権についても意見を述べた。

安倍前総理には、約8年間に渡る安定した政権運営により、海外でも「顔が見えるトップ」として、自動車産業界の海外展開に最大限の気遣いを得たことに謝意を示した。

菅政権に対して「国民のために働く内閣」を強調しており、自動車産業としても、国からも、また国民からも「(経済の持続的な安定のために)あてにしてもらいたい」と、自工会としての総意を述べた。

その上で、10月1日から実施する、新しい組織体制を明らかにした。

旧体制では、理事会の直下に常任委員会があり、その下に交通、流通、税制、国際、労務など11の委員会があった。

これに対して新体制では、理事会の直下に、総合政策、サプライチェーン、環境技術・政策、安全技術・政策、そして次世代モビリティという5つの委員会として刷新した。

こうした組織改革は、1967年の日本自動車工業会の発足以来、初めてだ。

背景にあるのは当然、自動車産業における「100年に一度の大変革」である。

自工会では異例の二期(一期2年)連続で会長職を務める者として「(自動車産業界が世の中から)本当に頼っていただくためには、(組織変革という)具体的な提案が必要だった」(豊田会長)と、リーダーシップを強調した。

スピード感を持って、何をするのか?

今回の会見では、新体制発表に加えて、「税制改正・予算に関する要望(案)」も公表した。

要望の柱は3つある。

1つは、これまでも議論されてきた自動車税制についてだ。

その中にも3項目ある。

ウィズコロナからアフターコロナに向けて、国内での個人消費を安定的に維持するために、自動車税・軽自動車税・環境性能割課税の凍結など、特段の措置。

エコカー減税は対象を限定せずに延長。

そして、CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリングなど新サービス・電動化)という社会変化に即した税制の根本的な見直しだ。

2つ目は、予算要望として、サポカー補助金で現在の65歳以上とする年齢要件の撤廃など。

電気自動車で上限40万円などとしている、CEV補助金の金額拡大も要望する。

3つ目は、企業税制として、研究開発税制の拡充や、固定資産税の大幅な引き下げなど、コロナ後の復興けん引役を担う企業を支える税制措置を挙げた。

新体制として時代変化に挑戦する、自工会。

筆者の私見としては、菅政権が推進するデジタル化へ、政府と自工会が連携する強靭な体制作りを期待したい。

特に、モビリティを含めたデータプラットフォーム構築における、具体的な工程表の早期策定が必要不可欠だと感じる。

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