協調を重視する企業文化で急成長 スコダのトップ、クラウス・ツェルマー氏:リーダー賞(後編) #AUTOCARアワード2026

公開 : 2026.07.08 17:10

チェコのスコダは今年第1四半期、販売台数で欧州第2位の人気ブランドとなりました。この急成長とEV事業の成功の鍵を握るクラウス・ツェルマーCEOが、今年のAUTOCARアワードで「リーダー賞」に選ばれました。

ブランドを体現したような人柄

スコダのCEO、クラウス・ツェルマー氏と話していると、犬は飼い主に似るという陳腐な決まり文句を思い出さずにはいられない。キャリアの大半を高級車セグメントで過ごしてきたため、スコダに携わるようになってまだ日が浅いかもしれないが、その親しみやすさ、ユーモアのセンス、論理的なアプローチ、そして誰からも好かれやすい人柄は、彼が率いるブランドの理念をこれ以上なく体現している。もしスコダが人間を作るとしたら、きっと彼のような人物になるだろう。

こうした資質は、実用的かつ協調的な経営スタイルへとつながっている。ツェルマー氏は、チームを率いる上での基本的な考え方として、「自分が扱われたいように同僚を扱うこと」、そして「誰もがアイデアや提案を出せる場を設けること」が大切だと説明する。彼は会議で自分の意見を述べることを決して躊躇しないが、重要な決定にはさまざまな声や意見が反映されるよう、他の全員にも同じ考え方を持つよう奨励している。

スコダのCEO、クラウス・ツェルマー氏
スコダのCEO、クラウス・ツェルマー氏    AUTOCAR

この精神は、近年自動車業界の在り方を変えた企業文化の変化を象徴している。かつての権威主義的な手法は廃れ、代わりにチームワークを重視する、より柔軟で協調的な新世代のリーダーたちが台頭している。このチーム文化こそが、従業員個人レベルと会社全体の双方における成長の基盤を築いているのだ。

社内のどんな提案にも耳を傾ける

「20年前、リーダーシップとは、人々に何をすべきかを示し、指示を与えることでした。名刺にそう書いてあるだけというで、人々は耳を傾け、リーダーの望む通りに動かなければならなかったのです」とツェルマー氏は語る。

「しかし、今はそうではありません。世界はあまりにも複雑すぎて、人々に『何をすべきか正確に知っている』と断言することはできないのです。自分の価値観、戦略、指針、そして業務改善の基準に従って、人々が正しい行動を取れるように支援しなければなりません。もちろん、一連のルールは必要ですが、人々が自らの意思で行動できるようにする必要があるのです」

スコダ・ビジョンOコンセプト
スコダ・ビジョンOコンセプト    スコダ

ツェルマー氏は、自分が常にその場で最も賢い人物であるとは限らないと自認している。つまり、特定の分野における解決策や進歩が提示された際、マネージャーとしての彼の役割の大部分は、常にオープンな心構えで、伝えられた内容を聞き、理解し、評価することにある。

「わたしが本当に嫌なのは、『これまでそんなやり方はしたことがない』とか、『自社発のアイデアではない』という理由で提案が却下されることです。これは社員に明確に伝えるべきことだと思います。どんな提案を持ち込んでも構わない。それがオリジナルのアイデアではないから、あるいはもっと良いアイデアと矛盾しているからといって、決して却下されることはないのだ、と」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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