単なるトラディショナルに非ず メルセデス・ベンツCLA EQテクノロジー:ベスト・サルーン賞 #AUTOCARアワード2026

公開 : 2026.07.08 18:05

2025年後半から2026年前半で、UK編集部が各カテゴリーのベストを称えるAUTOCARアワード。ベスト・サルーン賞には、最新のメルセデス・ベンツCLA EQテクノロジーが選ばれました。

ワゴンやSUVなどでは代役を担えない適応能力

サルーンというボディスタイルが、トラディショナルなものだと感じる人は多いだろう。だが、ステーションワゴンやSUV、クーペなどでは代役を担えない、適応能力の広さを備えている。

一方でバッテリーEVの場合、全高が低くリアが滑らかに収束するフォルムは空力的に有利といえ、エネルギー効率を向上できる。限られた駆動用バッテリーの容量で、航続距離を最大限に伸ばせる。

メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー (英国仕様)
メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー (英国仕様)

メルセデス・ベンツが、画期的なMMAプラットフォームをCLA EQテクノロジーから展開したことも、納得の判断といえる。コンパクトなサルーンは、欧州車らしい伝統を感じさせつつ、成功を狙うプレミアムブランドとして新たな心象も醸し出せる。

最長777kmと高水準の航続距離

MMAプラットフォームは、内燃エンジンにも対応はしている。新型CLAにもハイブリッドが用意されているが、EVであることを最優先に設計された。かさばる駆動用バッテリーや制御機器は、巧妙にレイアウトされている。

その結果、ドライビングポジションは充分に低く馴染みあるもの。荷室は広く、フロント側にも収納が設けられている。

メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー (英国仕様)
メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー (英国仕様)

電動パワートレインは、最先端にある。電圧800Vで制御され、インバーターは新しく、リアアクスルを担う駆動用モーターには2速ATを一体化。エネルギー効率を高め、大きすぎないバッテリー容量ながら、高水準の航続距離を叶えた。実に、最長777kmだ。

単にトラディショナルなクルマではない

運転体験も出色。ステアリングホイールやペダルは自然に操れ、直観的に先を急げる。手のひらには路面状況が不足なく伝わり、フロントノーズの反応は素早い。速度調整しやすく、全体的なバランスも素晴らしい。

上級グレードを選ばずとも、落ち着いた乗り心地にあることも特筆すべき点だろう。走行中の静寂性も、当然のように高い。

メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー (英国仕様)
メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー (英国仕様)

CLA EQテクノロジーを少し走らせるだけで、サルーンが単にトラディショナルなクルマではないと理解できる。上品な見た目で、高効率で実用性に優れ、運転が楽しい。これらはまさに、サルーンならではの強みだといっていい。

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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