数年後はコレクターズアイテムに ミニ・ジョン・クーパー・ワークス:未来のクラシック賞 #AUTOCARアワード2026

公開 : 2026.07.08 18:10

2025年後半から2026年前半で、UK編集部が各カテゴリーのベストを称えるAUTOCARアワード。将来的に価値を高めるであろう未来のクラシック賞には、ミニ・ジョン・クーパー・ワークスが選ばれました。

数年のうちに英国市場から姿を消す

将来的にクラシックカーとして価値を高めるであろう1台に贈られる、未来のクラシック賞。ハイエンドモデルや、イタリア製スーパーカーを選んでも良かったかもしれないが、2026年には驚くほど魅力的なコンパクトカーが我々のもとに舞い降りた。

数年のうちに、このクルマは英国市場から姿を消すことになる。間違いなく、その後はコレクターズアイテム化するはず。それは、ターボエンジンを積んだホットハッチミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW)のことだ。

ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(英国仕様/手前)
ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(英国仕様/手前)

全長3.9mを切るサイズながら、0-100km/h加速を6.0秒で処理。最高速度は、249km/hに届く。最もアツアツなミニとして、見た目もアグレッシブに差別化されている。

中国製の電動クロスオーバーと同等の予算で

短いボンネット内に収まるのは、ミニ・クーパー Sにも搭載される、2.0L 4気筒ガソリンターボ。JCW仕様として専用チューニングされ、231psと38.6kg-mを発揮する。

英国でのお値段は、3万3550ポンド(約705万円)から。お好みのボディカラーで仕上げ、ご希望のオプションをいくつか選んでも、3万6000ポンド(約756万円)程度には収まるはず。中国製の電動クロスオーバーと、同等の予算で商談を進められる。

ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(英国仕様)
ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(英国仕様)

トヨタGRヤリスも素晴らしいホットハッチだが、英国では4万8000ポンド(約1008万円)と少々お高い。断続的に輸入は続いており、まだ希望すれば購入できるようだが、そう遠くない将来に英国での販売が終ることをトヨタは示唆している。

溢れんばかりのパワーで運転が楽しく、価格も高すぎないコンパクト・ホットハッチは、この市場では現実的にミニ JCWの一択といえる。燃費も悪くない。

人生の喜びを高める稀有なホットハッチ

乗り心地は、若干落ち着きに欠ける。高速道路での長距離ドライブや、つぎはぎの多い幹線道路では、疲労度が高めかもしれない。とはいえ、滑らかなワインディングでは、そんな疲れを吹き飛ばすエネルギッシュさで応えてくれる。

スタビリティ・コントロールを完全にオフにできない設定は、サーキットで全力を振り絞りたい本気のドライバーには不満かもしれない。しかし、その制御は非常に緻密で、介入は控えめで、スリリングな運転の足を引っ張ることは殆どないだろう。

ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(英国仕様)
ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(英国仕様)

近所にある早朝のヘアピンカーブでも、アクセルペダルの加減でボディの向きを調整できる。投げたボールを追うやんちゃな子犬のように、一気呵成に加速もできる。ミニ JCWは、人生の喜びを1段高めてくれる、稀有な本物のホットハッチにある。

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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