【もっと磨き込める】アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.2d スプリントへ試乗 小変更

公開 : 2020.10.27 10:20  更新 : 2022.08.08 07:35

車内は質感を高めたものの、改善の余地あり

リアのトノカバーには、大きくアルファ・ロメオのロゴがあしらわれる。ミラーやリアガラスに映り込み、なかなか悪くない。コストを掛けずに、ドライバーへ満足感を与える手法だ。デザイナーが思いついたのだろう。

インフォテインメント・システムもアップデートされている。よく使う機能をホーム画面に並べられ、ドライバー好みで操作性を高めることが可能になった。

アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.2d スプリントQ4(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.2d スプリントQ4(英国仕様)

アップルとアンドロイドのスマートフォンは、USBポートを通じてモニターにミラーリング表示が可能。リアシート側にもUSBポートが付いている。8.8インチのモニターの大きさは従来どおりで、表示はやや薄暗く感じる。

アルファ・ロメオがアウディQ5BMW X4を検討するドライバーを惹きつけることを狙っているのなら、インテリア・デザインはもう少し手を加えるべきだったと思う。質感も煮詰めた方が良い。

パワーウインドウの動きにも、少し一貫性がないように感じた。明確に訴求力が上がった、という印象は受けない。ドイツ勢とのインテリアのギャップは、まだ開いたままだ。

運転席に座り、ステアリングホイール上のボタンを押してエンジンを始動。目を覚ましてしばらくはディーゼルらしい音が響くが、すぐに静かなアイドリングへ落ち着く。

バランスとグリップ力に優れるシャシー

トルクは中回転域で特に太く、吹け上がりは穏やか。一昔前のディーゼルエンジンのような印象も受ける。2000rpm以下でも充分パワフルだが、4000rpm手前にはシフトアップしたくなる。

環境負荷を抑えるため、加速時は早いテンポでシフトアップするように、アルファ・ロメオは8速ATを味付けしている様子。低速域でも、できるだけ高い段数を保つ傾向がある。中間加速などでは、アクセル操作の反応にもどかしい場面がある。

アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.2d スプリントQ4(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.2d スプリントQ4(英国仕様)

それでも、ドライブ・モードをダイナミックにすれば、ステルヴィオが遅く感じたり、運転の楽しさに不満を覚えることはない。エンジンの環境負荷を抑える仕組みを、一部無効にしているようだけれど。

軽くダイレクトなステアリングホイールの操舵感は、適度に重さが増す。ディーゼルのスプリントでも、ステルヴィオは機敏。中型のSUVとしては、バランスとグリップ力にも優れている。

確かに低速域では乗り心地は硬めで、しなやかさに欠ける。ステアリングのレスポンスは早いものの、手のひらに伝わる感触は薄い。

それに慣れれば、スポーティな魂を宿したSUVとして、爽快に運転できる。ライバルには真似できない走りだといえる。

新世代のジョルジオ・プラットフォームには、バイワイヤーのやや過剰反応気味なブレーキなど、いくつか気になる癖もある。それでも新しいステルヴィオに乗る限り、改善されつつあるようだ。

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