5気筒エンジンを記憶へ刻む アウディRS3 コンペティション・リミテッド(1) 限定750台 399psで迎える50周年

公開 : 2026.05.18 18:05

直列5気筒ターボのRS3に、750台限定の特別仕様が登場。399psは同値でも、専用サスやブレーキ、ホイール、シートで差別化されます。一時代の節目となるホットハッチを、UK編集部が評価です。

出色の個性を与える直列5気筒ターボ

直列5気筒ターボエンジンを積んだ、アウディRS3。1、2、4、5、3という点火順序が、このホットハッチへ出色の個性を与えている。

アイドリング時には、工業的で無機質なノイズが耳に届く。だが7000rpmまで引っ張れば、快感を呼び起こす美声を奏でる。変速時の4000rpm前後の唸りと、ウェイストゲートバルブの悲鳴も、記憶へ刻まれる響きだ。

アウディRS3 スポーツバック・コンペティション・リミテッド (欧州仕様)
アウディRS3 スポーツバック・コンペティション・リミテッド (欧州仕様)

アウディが5気筒エンジンを量産車へ初めて与えてから、半世紀が過ぎた。4気筒の燃費と6気筒の馬力の両方を狙って、1976年のサルーン、100に搭載されたのが始まり。ここまで魅力的なユニットになると、当時想像した人はいただろうか。

50周年という記念すべき2026年だが、悲しいお知らせもある。このエンジンは、2026年11月から欧州で施行される排気ガス規制、ユーロ7を単体ではクリアできなかった。

専用サスやブレーキを得た世界限定750台

それでも、節目を祝うべく生まれたのが、RS3 コンペティション・リミテッド。通常のRS3との違いは、減衰力を調整できるコイルオーバーサスペンションと、前に組まれるセラミック製ブレーキディスク、後ろへ組まれるハードなスタビライザーなど。

他にも、マラカイト・グリーン塗装やマットブラックのボディトリム、マットゴールドのクロススポーク19インチ・ホイールで差別化。フロントのカナードやリップスポイラーは、カーボン製となる。レッドにグレー、ブラックのエンブレムが、控えめに光る。

アウディRS3 スポーツバック・コンペティション・リミテッド (欧州仕様)
アウディRS3 スポーツバック・コンペティション・リミテッド (欧州仕様)

生産数は、世界限定で750台。その内、ハッチバックが585台で、サルーンは165台の構成になるそうだ。英国へ届けられるのはハッチバックのみで、11台。英国のアウディは、ヘリテージコレクション用に1台を間引くから、実質10台といえる。

399psの最高出力は同値ながら僅かに軽量化

フロントに載る直列5気筒ターボエンジンは、通常のRS3と同じ。最高出力399psと、最大トルク50.9kg-mを発揮する。1000馬力超えのバッテリーEVが珍しくない今、驚くほどの大パワーではないが、ボディは現在では軽い側にある。

エンジンルームとキャビンを仕切る、ファイアウォールは軽量化。遮音材も削減され、車重は通常のRS3より4kg落とされ、1565kgとのこと。ローンチコントロールを起動すれば、0-100km/h加速は3.8秒で処理するという。

アウディRS3 スポーツバック・コンペティション・リミテッド (欧州仕様)
アウディRS3 スポーツバック・コンペティション・リミテッド (欧州仕様)

タイヤは、ピレリPゼロが標準。オプションで、一層グリップするトロフェオも組める。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

アウディRS3 コンペティション・リミテッドの前後関係

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