【プロパイロット2.0というより1.5】新型ノートに日産初採用 ナビリンク機能付きって何? アイサイトXとの違いは

公開 : 2020.12.03 05:50

プロパイロット起源、イスラエル企業

では、プロパイロットの技術的な特長は何か?

新型ノートの場合、カメラ5つ、レーダー3つ、ソナー(赤外線センサー)8つを車両の前後とサイドミラー部に搭載し、自車周辺360°をセンシングしながら走行している。

先代ノートを比べると、前方衝突予測警報、後退時車両検知警報、後側方車両検知警報、ふらつき警報などが追加されており、こうした機能全体がプロパイロットだとも表現できる。

ただ、プロパイロットの神髄は車内ルームミラー近くに設置されている、単眼カメラの画像認識技術の精度にある。

この技術の源は、イスラエルのモービルアイが担っている。

筆者(桃田健史)はエルサレムにあるモービルアイ本社を取材し、また世界各国でモービルアイの技術を使った自動車メーカー各社の試験車や量産車を試乗してきた。

加えて、2017年にモービルアイが米半導体大手のインテルに買収された後も、米カリフォルニア州のインテル本社を取材し各種車両に公道で試乗した。

こうした中で、日産とモービルアイが、プロパイロットのハードウェア/ソフトウェアを担当する自動車部品メーカーとプロパイロットを進化させていく過程を見てきた。

そして今回、ノートが「ナビリンク機能付き」に進化した。

プロパイロット2.0との違いはある?

本稿執筆時点で、筆者は新型ノート量産車の実車を見ており、エンジンをかけた状態で車内に座っているが、実車を動かしていない。また、プロパイロットの開発担当者とも直接話していない。

その上で、すでに日産が公開している資料から推定すると、プロパイロット2.0は日産が地図メーカーなどと連携して採用した高精度三次元地図を使い、また車内モニタリングシステムなどによってハンズフリーを実現した。

スバルが新型レヴォーグに搭載するアイサイトXのデバイス構成。
スバルが新型レヴォーグに搭載するアイサイトXのデバイス構成。    スバル

これは、スバルが新型レヴォーグで搭載した、次世代アイサイトでのアイサイトXと考え方が近い。

むろん、アイサイトはステレオカメラである。

プロパイロット2.0もアイサイトXも、かなり高度な自動運転レベル2だと言える。あえて表現するならば、レベル2.5である。

一方、新型ノート採用の「ナビリンク機能付き」について、日産関係者は同車のメディア向け実車取材会で「コスパ」を強調した。

ナビリンク機能付きとは、日産コネクテッドナビゲーションサービスと連動する、工場ライン装着でのメーカーオプション。既存のプロパイロットの性能を、コネクティビティ技術と連携したもの。

新たなハードウェアなどへの投資を抑えて、さらに販売台数が多いコンパクトカーでの量産効果を狙う。

こちらをあえて表現すると、プロパイロット1.5なのかもしれない。

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